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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   フリーター万歳   がっちゃん

 アラブには移動文化がある。水も、植物も、子供たちの学校もある場所を捨ててまで移動する理由は、同じ場所に留まっていると生活がよどんでしまうというアラブの人々特有の考え方からである。それに比べて日本人は、「石の上にも三年」という言葉もある通り移り変わる事を好まぬ定着型の人種である。就職は永久に会社に尽くし、結婚式では永遠の愛を誓う。樹木のように太い根を張り同じ社会を定着させることは、一見幸せなことのように感じるが、若者にとっては生ぬるい刺激のない社会となってしまう。定着型社会を変えるにはどうしたらよいか。
 第一の対策に、若者が定着型の社会から脱出することが挙げられる。定着文化の中で暮らしている若者は、定着文化の中で社会をどう良くするかを考えてしまう。だがそうではなく、自分が移動社会で暮らしてみることで定着社会の悪い部分や良い部分をもっと理解することが大切なのだ。日本ではフリーターの風当たりが異常に強い。しかし欧米では自分の夢を追いかけるために働きながら自分を磨いている人もいるし、会社に入ってもある程度会社の内情がつかめたら転職してしまう人も多い。一回きりの人生、定着型でのほほんと過ごすか、移動型で刺激的に過ごすか。日本人の若者はきっと刺激を求めるだろう。
 第二の対策に、定着社会の矛盾を無くすことが挙げられる。日本では「お偉いさん」と呼ばれている人のほとんどが中年だ。それは中年の決められた人間たちが権力を握っていたり、高い地位を独占しているからである。他に実力のある人間がいても、その決められた人たちがいつまでも居心地の良いポストにいるため定着型の社会が変わらない。悪循環なのだ。実力のある若者が無能なおじさんを蹴落とす、下克上のような刺激が必要である。
 確かに、定着している日本では安定した収入と安定した生活を得ることができるかもしれない。しかし、世界全体が定着社会ではないのだ。移動世界の中の定着社会は弱くなってしまう。他の国は移り変わっているというのに、日本だけがひとつのことに留まってしまってはいつか幸せも崩れるのだ。生きている限り永遠に続くものなどありあえない。私たちは長年に渡り滞ってきた日本の空気を変える必要がある。

   講評   jun

 これもまたしっかりした構成で、理路整然とまとめることができたね。二つの対策はよく考えられています。
 若者の力によって、これからは日本も少しずつ移動型文化に変わっていくような気がするね。でも、むずかしいことかもしれないけれど、できれば若者だけではなく、もう少し上の世代も移動型文化に足を踏み入れてもいいのではないかと思うよ。そうすればより良い形で社会全体が移動型文化に移行するのではないかな。
 結びに示された反対意見への理解もそのとおり。でも、安定だけを求めて定着文化にどっぷりとつかっていてはいつも間にか取り残されていたなどということにもなりかねないね。守りを固めることも大切だけれど、もっと積極的に自分から動き出すことも必要だね。自分を高め、より良い社会を築くためにも日本の空気を変える必要がありそうだね。

     

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