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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   火の不思議な力   はるる

 イロリの社交は、家族結合の社交だった。一家団欒ということばは言うまでもなく家族がおなじ火をかこんでいることを指した。火が人間を接近させ、親密さを強める効果をもっていることをわれわれは直感的に知っている。人間は暖房、照明、調理などの火の実用性を超えて火を人間関係調整の手段として展開させてきたのであった。私は決して合理的ではないが、奥ゆかしい火を囲むという文化を大切にしていきたい。
 そのための第一の方法は、本物の火ともっと触れ合うことだ。現代では、火は人間によって管理されるものとなってしまった。そのためか、私たちの生活から本物の火と対面する機会が少なくなったように思われる。火とは本来便利でお手軽なものではなかったはずだ。それに最近では人間関係調整のために火を使うということがなくなってしまったのではないか。私たちが火を使う時、それはほとんどが調理や暖房のために使うためなのである。私が小学生のころ、学校の行事で山に体験学習をしに行った。ようするに林間学校である。その時、体育館でキャンドルファイヤーを行った。本当はキャンプファイヤーをやる予定だったのだが、天気が雨だったので急遽予定が変更されたらしい。みんなは最初の内は文句を言っていた。あの迫力あるキャンプファイヤーを楽しみにしていたのに、なんでこんなキャンドルファイヤーなんかしなくてはいけないのか。私も同じ気持ちだった。しかし私たちは火の力を侮っていた。確かにキャンプファイヤーよりも火の大きさは小さい。けれども私たちに及ぼす影響はさほど変わらなかった。電気のついていない体育館の中を、無数の蝋燭の灯りが仄かに照らす。電灯とは全く違った優しくも儚い灯りに包まれた体育館の中で、私たちはキャンファイヤーとはまた異なった火の魅力に吸い込まれていったのである。このような火と直に触れ合う機会を多くすれば、心の豊かな人間が今よりももっと増えるのではないだろうか。
 第二の方法は、家族で食卓を囲むように努力することである。毎日家族で食卓を囲んでいる家庭がどれだけあるだろうか。たかが食事と思うかもしれないが、この食事をする時こそが家族の一番良い交流の時間だと私は思う。それに火を囲むというのだから、囲むだけの人数がいなければ話しにならない。長文からも「火は、家庭の健在をしめす象徴なのでもあった。」とある。ようするに、火を囲むということは家族みんながそろっているという前提があるのだ。火を囲むことが減ってしまった原因の一つに家族でそろって食事をする機会が少なくなってしまったことが挙げられるのではないか。
 確かにみんなで集まって火を囲むなんて合理的ではないように思われるかもしれない。けれども、それが人の心を豊かに、またはリラックスさせているのは確かだ。「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある。」という言葉がある。頭で考えて火を囲むなんて無駄だと排除してしまうのではなく、実際体験してみてはいかがだろうか。火には不思議と人をひきつける力がある。だから私たちの遠い祖先は火を聖なるものと扱っていたのだ。

   講評   sugi


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