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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   くずかごの大切さ   フレディ

「くずかごは、生活の中で、決して目立ってはいないが、いらない物
 をほりだしてみてはじめて、生活に必要な物だとわかる」
この文章を読んで、わたしは、
(なるほど。くずかごとは、大切なそんざいだったのか!!)
と思った。わたしは今まで、くずかごのことをバカにしていたからだ。なにしろ、わたしの子ども部屋に置いてあるくずかごの中をのぞくと、ほこりがはりついているわ、いやなにおいがするわで、いいところは1つもなかったからだ。あまりにもきたないので、
「ふん。どうせくずかごなんか、部屋のすみっこの方にあって、ゴミ
 をほうりこむだけだろう。」
とさえ、思っていたのだ。…「ゴミをほうりこむだけ」というのは、少しひどすぎるとは思っているが。
 しかし、よく考えてみると、わたしは、やはり、1日の中で、よく、くずかごを必要とするようだ。
 朝。ベッドから起きあがると、たいていはティッシュで鼻をかむ。くずかごに捨てる。
 学校に行くと、白紙が配られた。校長先生の話をメモする。失敗してしまったものは、くずかごに捨てる。
 昼。給食を食べている途中に、ご飯がこぼれた。ティッシュでふきとる。くずかごに捨てる。
 昼の掃除のとき。ちりとりでとったゴミを、くずかごにいれて運ぶ。廊下まで運んだら、今度は大きなくずかごに、運んできたゴミを入れる。
 学校から帰ると…。リビングルームやたたみの部屋などに、また、ガレージの中にまで大量に落ちている、我が家のきたないゴミ達を、「しっしっ」と、くずかごの中においはらう。この時に、掃除機やほうきが、一生懸命に協力してくれる。これが、我が家の「掃除」だ。この、「掃除」をすると、我が家は、まるで、新しい家のようになるのだ。このときに出たゴミは、くずかご行きだ。
 これだけ、たくさんくずかごを使っているのだから、やはり、くずかごは、日々の生活に必要な物に違いない。
 だが、くずかごのせいでこまらされた思いでだって、少なくはない。例えば、犬にあらされた思い出。これはこまった。くずかごに入れておいたはずのティッシュが、無残な姿で、ソファーの下から発見される。よだれでベトベトのティッシュを、泣く泣く回収する。が!ふと見ると、犬が新たなティッシュをくわえて、「遊んでくれ」と、よってくるではないか。これはこまった!!さっき、回収したばかりのティッシュを横目で見る。…ベトベト。私は、
「こらっ!!いけましぇん!!」
と、変な声でしかってから、手に持っている異様な物体をくずかごに捨てた。しかし、このままでは、また犬に持っていかれてしまう。どうしたらよいものか。少しの間考えたあげく、私は、その物体に、名前ペンで落書きをしたのだ。「持っていくな!!」と。
(犬に、文字が読めるわけなかろう。)
と、みなさんは思うかも知れないが、文字よりも、「名前ペン」で落書きをするということに注目してほしい。実は、犬は、名前ペンの臭いが大嫌いなのだ。
(これでよし。)
そう思った私は、「持っていくな!!」と書かれたティッシュを、くずかごの中に捨てた。そして、その日は、もう異様な物体どもが発見されることはなくなった。
「ふぅーっ!じゃあ、早速教科書に名前を書こう。」
と思い、教科書に手を伸ばした。名前ペンのふたを取り、「|」と書き入れる。続けて、「一」そのまま、「|」…のはずなのだが!!なんと、字がかすれてしまうのだ。
「…よだれの上に書いたからか?!」
がっかりした私は、くずかごの中へ名前ペンを捨てた。
 …こんな苦い思い出だって、くずかごにはある。この長い長い話の元は、『くずかご』なのだ。くずかごが、円柱の形をしているから、中のゴミが犬にさらわれていってしまうのだ。…現在、あの時のくずかごはとりかえられ、ふたのついた、新しいものと変わっている。
 ここに、数々の例……苦い思い出、「くずかごは絶対に必要!!」ということをわからせてくれるような出来事……をあげた。いいことだってある。いやなことだってある。私は、みなさんに、
「くずかごを嫌わずに、1部屋に1つは、」くずかごをおこう!!」
と、おすすめする。

   講評   huzi

  ←くずかごの精?
 おもしろい! 瑠美ちゃんにかかると、感想文が「くずかご物語」になりますね。今まで知らなかった犬の習性もわかって、最後まで楽しく読めました。
 動物は、くずかごが好きですね。瑠美ちゃんちのペンちゃんがくずかごのティッシュを引っ張り出すのと同じように、先生のうちのしまこ(シマリス)も、ティッシュが大好き。 やめなさい!と叱っても、もちろんまったく言うことを聞きません。そうそう、スリッパも大好き。どういうわけかユニクロで買った茶色のスリッパに限るんだけどね。
 家の中のゴミがいかにしてくずかごに集まってくるかを描写(びょうしゃ)した部分も、とてもよく書けていますね。 知らず知らずのうちに、家のすみっこで存在感を持つのが、ゴミ。聞いた話では、ゴミは寂しがりやなんだって。ひとり(ひとつ)で落ちていると、寂しいから仲間のゴミを吸い寄せるとか。そしてだんだんパワーを発揮して、ついには、生活の場を侵食するようになるのです。 そうなると、どんなことがおこるか。 瑠美ちゃんならわかるよね。 必要なものが、ゴミのかげに隠れて見つからなかったり、ゴミが大切なものにくっついて、元の姿を変えてしまうのです。 それをふせぐ正義の味方が「くずかご」というわけ。 いらなくなったものをいやな顔もしないで、どんどん受け入れてくれるくずかご。 瑠美ちゃんが書いているように、「くずかごは、絶対に必要」なのですね。
 作文の構成を練習するために、項目(キーワード)を使って書いてみよう。 感想文の場合、構成の項目では、【要約】、題材の項目では【体験】がキーワードになります。文中に使いにくいときは、書いた部分の直後に(要約)と書いておいてね。 ※清書の時にはカッコ書きのキーワードは削ります。

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