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　　　私の好きな人　　　よう子

私の好きな人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よう子
　私のクラスには、ちょっとカッコイイＵ君という男子がいます。無口で、勉強もできて、見た目もクールでシャープでかっこいいので、私はその子にちょっぴりあこがれています。算数でリットルをやったとき、水道が使えるほうがいいので理科室に移動したことがあって、そのとき私とＵ君は隣になったんですが、ちょこっとドキドキしてしまいました。
　Ｕ君は、スポーツ狩りほどではないけど髪が短くて、顔が細くて、ちょっと肌が黒い男の子です。かっこいいな、と思うのですが、そのＵ君が好きな子がもう一人いるらしいのです。Ｍちゃんという女の子で、声が高くって、○○○しましょう、というかんじのお嬢様っぽいしゃべりかたをします。しかも、私はＵ君と話すのにちょっと戸惑ってしまったりするのですが、Ｍちゃんは堂々と彼と話していたりするのです。ＭちゃんがＵ君にアタックしているので、自分もさりげなく話しかけてみようかなぁ、なんて思っちゃったりするのですが、やっぱり恥ずかしくってできません。
　今のところ、Ｕ君に私が片想いしているだけだと思いますが、いつかＵ君と両想いになりたいです。

　　　講評　　　nara

よう子ちゃんにしては字数が短めだけれど、もしかしたら「あふれる思いを文字にできない」ということだったのかもしれないなぁ。先生は、こういう作文が大好き。人を好きになる気持ちというのは、とてもあたたかい。好きになることで、不安や嫉妬（しっと）の気持ちも生まれることがあるけれど、それでも「好き」という気持ちは大切にしたい。よう子ちゃんの気持ちが、Ｕ君に伝わるといいね。
　誰かを好きになることで、自分の今まで気づかなかった面も発見するかもね。「私って、こんなに恥ずかしがりやだったの？」「私って……」人を好きになることは、自分発見でもあるのだなぁ。
　ライバルＭちゃんの出現で、よう子ちゃんのハートはチクチク痛んでいるかもしれないね。お嬢様っぽいＭ子ちゃんを真似して、もし、Ｕ君が振り向いても、それはよう子ちゃんそのものではないね。よう子ちゃんにしかない、よう子ちゃんらしさを伝えることが大切だ。一度気になると、その人のことがどんどん自分の心の中で大きくなるね。その思いを大切に育てて、すてきな恋をしよう。
　忍ぶれど　色にいでにけり　わが恋は　ものや思ふと　人の問ふまで
（他人に知られたくないと思って隠していたけれども、私の恋心は顔色に出てしまったようだ。何か物思いでもしているのか、と人が尋ねるほどに……。）
　【構成】と【題材】の●キーワードが抜けていたね。残念！