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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   『マリア語録』はユーモアへの道   キティ

『マリア語録』はユーモアへの道
 ユーモアは命を運転して人生をわたっていくのに欠かすことのできないものだ。ユーモアは、たとえるなら花のかおりのようなもので、口ではうまく説明できない。数学なら数学、物理なら物理、こういう真面目なことというものは、一生懸命努力すれば分かる。少なくとも分かるはずだ。しかし、ユーモアというものは、ユーモラスと感じるか感じないかというセンスの問題になるわけだ。
 私はブラックジョークの天才だ!と家族に言われている。朝食は一日の始まりだ。この第一歩を楽しく踏み出すために私はいつも楽しいジョークを言ってしまう。私がポロッと一言面白いことを言うとみんな笑ってくれる。朝、家族みんなが笑うということはとても大事なことだと思う。家族にウケる冗談を言っているうちに、私は人を笑わせるのが大好きになってしまった。(体験)
 ユーモアに目覚めた私。もちろん両親からの影響がある。お父さんとお母さん、両方とも負けないくらいのユーモアセンスの持ち主なのだ。お母さんはパーフェクトにドイツ語を話すことができない。だがいつも面白い冗談を言うので、いつしか外国人たちの輪の中に入れてもらえるようになった。お母さんが会社で何か言うたびに、皆耳をそばたてて笑う準備をして聞いてくれている。ユーモアは万国共通、やはり大切な技なのだ。と、お母さんを見てそれがよく分かる。
 お父さんはみるからにユーモアのかたまりだ。白熊のようにふっくらしている体も笑えるが、一言お父さんが口を開くと、誰しも爆笑のうずに巻き込まれてしまう。特にブラックジョークのかたまりなのだ。ここでいつも感心するのは、サラリと相手の気にしていることなどをネタにして笑わせているのに、決して相手を傷つけていないという点。全てのゴツゴツしたものが溶けていく。知らないあいだに相手はおとうさんのペースに乗って『ぷっ』と笑っているのだ。その瞬間、回りの空気がなごんでいる。私の校長先生だって、お父さんの舌にかかればこんにゃくのような笑顔になってしまう。(ユーモア)
 ユーモアを自由に扱える人間になれるにはどうすればいいだろう。まず一番大事なのは、心に余裕を持って、楽天家の自分でいられるか。そしていつも沢山の質のよい笑いに触れることだと思う。私の場合は、面白いテレビ番組や漫才などをよく観ている。毎週日曜日は特にワクワクしながら『笑点』を楽しみにしている。笑点メンバーのみんなが仲間の悪口を言っている、それがまた面白いのだ。
 私のクラスの中にユーモアが通じない、冗談も言わないケルスティンちゃんという女の子がいる。たまに笑うが、人を笑わせたことは一度も見たことがない。ケルスティンちゃんは確かに勉強はできる。が、一緒にいてもあまり面白くないのだ。なぜだろう。彼女は私達のクラスでは友達がほとんどいなくて、いつも一人ぼっちか二歳年下の子供と遊んでいる。私はかわいそうだと思いながらも、少し彼女を観察してみることにした。不思議なことに、彼女のお母さんはめちゃくちゃ明るくて、ペチャクチャよく喋るのだ。どうして似ていないのだろう。すると、横でお兄ちゃんの声がした。
「お父さんが暗いんだよ」。
 いつもユーモアセンスは自動的に遺伝するものだと信じていた私は少しショックだった。遺伝のチャンスもやはり、本人の努力次第なのだ。
 私が新しい冗談を言うたび、お母さんは紙に書きためてくれている。それを後でおばあちゃんに手紙で伝えたり、会って喋りながらまた笑ってくれているようだ。私はそれがとても嬉しい。いつかお母さんが書きとめてくれていた『マリア語録』をすべてかき集めて本にしてみたい。読んだ人が腹の底から笑ってくれれば、きっとユーモアセンスを身につけるには・・・と悩む人もいなくなるかもしれない。

   講評   yuu

要約にもまとめてくれたように、他の学問に比べると「笑い」は一定の尺度(しゃくど)で計ることのできない分野です。それには納得ですよね。どんなにおかしな話でも、周囲の雰囲気によって笑ってくれたり、笑ってもらえなかったりした経験があるよね。
また「なんとなくおかしい」「なんとなく笑える」という気持ちもありますね。ただ「なんとなく」なんだけど、思い出すとニヤニヤしてしまいそうな楽しい昨日の話とか・・・・・・。
文学でも芸術(映画など)の分野では、長い間、「笑い」は大衆の中で浸透していきました。現代はもうその名残(なごり)はないように思いますが、どうしても「笑」以外の感情を表す芸術に高い評価が与えられることに違いありません。(←喜びや悲しみに感動を求める読者が与える評価のことです。)でも、ある作家の話によると、「私小説も書いた、恋愛小説も楽しい、歴史小説もいいな、推理小説もよく売れた、ホラーも売れると大きい。でも、笑いの文学=小説=笑説(しょうせつ)は難しい。一生がんばっても笑説のベストセラー作家になる自信はない」のだそうです。


★笑ってしまった表現(^^)
『お父さんはみるからにユーモアのかたまりだ。白熊のようにふっくらしている体も笑えるが、』 → 人を外見で判断してはいけません!!でも、おかしいね(笑)(笑)
『すると、横でお兄ちゃんの声がした。
「お父さんが暗いんだよ。」』 → お兄さんのひとことにも充分なユーモア家族の血を感じます。


◎美しい表現
お母さんが会社で何か言うたびに、皆耳をそばたてて笑う準備をして聞いてくれている。」(そばたてて〜の表現がとても上手ですね。そしてとても美しい日本語です。久しぶりに聞きました(笑)。このような日本語の良さを大事にしていかないと・・・・・・とマリア先生に教えてもらいました。ありがとう!)


▲直してみましょう!
「ユーモアを自由に扱える人間になれるにはどうすればいいだろう。」 → 「なるには」でいいですよ。

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