対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   柿とガキの関係   キティ

柿とガキの関係
 渋ガキの渋もいわゆる「熟しガキ」になるまで木の上に置いておけば渋が抜ける。渋いうちは鳥もタヌキも手を出さない。渋は動物に食われるのを防ぎ、食べられないような「適応」的な意味を持っている。果実が赤く完熟してタネが充実し、渋みのなくなる「熟しガキ」の時期こそが、動物たちの食べたい気持ちと、タネを運んでほしいカキの思いとが一致する時なのだろう。こうした、渋を抜いてまで若い柿を食べてしまうヒトの出現は、柿の進化にとって勘定外のことだったに違いない。(要約)
 私は柿を食べたことはない。お買い物をしていて、柿を見たらお母さんが、
「柿だけは買わないでくれー!」
と言う。何でも食べるお母さんだが、柿だけは食べられないのだ。こうした親の影響で自分も食べたことがない。
 柿は熟している頃に食べないとおいしくないそうだ。それはどんな食物でも同じだろう。例えば、キュウリは夏が食べごろだ。このごろは一年中見かける野菜でもある。この場合、夏は=よく熟している=おいしい=安い=人間の栄養になり元気になれる。しかし、無理にビニールハウスで作った食物はおいしくない=高い=栄養になりにくいという公式が当てはまる。
 オーストリアのトマトがなくなる冬になると、ビニールハウスでできたスペイン産の大きくて、真っ赤できれいな形をしているトマトを買う。お父さんはそれを食べるといつも、
「まるでトマトの中に水を入れたみたいだ。本当にまずい!」
と言う。私の庭の横には大きな畑がある。夏になると、土とトマトが混ざった強い匂いがする。形はあまりきれいではないが、自然の中で作られたトマトは最高だ。
「やっぱりトマトは夏だな。夏になると、まともなものが食べられる。」
とお父さんは喜ぶ。
 この柿の話しで一つ気になったところがある。渋いところをわざわざ抜いてまで食べる人間の出現や、柿は秋だけでいいのに、ニュージーランドで作って逆輸入をしているところを読み、ふと柿を現在の子供達に置き変えてみたくなった。今の私達もまた、熟すのを待たずに早く渋いところを抜いてしまっている気がするのだ。
 夏休み前、東京で四人の小学六年生たちの監禁事件があった。なぜこのような事件が起こったのか。それは回りに余計な情報がありすぎたからだ。チラシや携帯電話、インターネット・・・世の中には便利なものがあふれている。コンピューターは魔法の箱だ。何でも出て来てしまう。携帯電話は毎日進化している。なにもかもが技術の競走だ。こうした余計な情報に囲まれた私たちは、ゆっくりと大人になるひまもなく、早くしろー!とせかされて大きくなっていく。同じ年の女の子達の事件は私の想像をはるかに越えていた。
 先進国である日本やヨーロッパ、アメリカに住む子供達はいつも一番いい小学校、中学校、高校、大学、会社、結婚相手、など他人より少しでも良い暮らしをしようとする。それはそれで大切なことだが、一番大事なことが抜けてしまわないように気をつけたい。それは遊ぶこと、太陽を浴びること、友達に会うことだ。
 「ゆっくり大人になりなさい」というフレーズのCMがある。私はこのCMが好きだ。子供の時やるべきこと、たとえば勉強、運動、遊ぶこと・・・が全て含まれている。私も自分の渋い部分が熟すのを待ってゆっくり大人になり、世の中の役に立つ人間になりたい。(書き出しの結び)

   講評   yuu



自信作が届きました! うれしいです。きっとお母様もマリアちゃんの作文を読んで喜んでくれたことと思います。是非、清書してみてほしい作品です。よろしくお願いします。
修正するところはまったくないので、一段落の要約をまるごと省いて(はぶいて)ください。1200字くらいにまとまるはずです。



柿の栄養分は他の果物にくらべ卓越したものがあるそうです。昔の日本では今ほどに豊富な種類の農産物に恵まれていませんでした。輸入も盛んでなかったころには庭先になる柿の実が色づくのをみんなで楽しみにしていたのでしょうね。
柿を薬にたとえる言葉もあるくらいです。ひんやりとした冷気が喉元まで浸透する柿の果実は風邪のときにも妙薬となるらしいです。
今日の話題では、どのような切り口でマリアちゃんが作文をしてくれるのかとても楽しみにしていました。果物について、果物の王様の話、柿と鳥と人間、柿のタンニン(渋み)について・・・・・・などなど、いろいろな題材が想像できました。でもやっぱり、想像以上の秀作が届き、心から感心しています。
若いときに渋みを持っている柿が熟すことで甘みを蓄えていくことを、人間の大人と子供に見立ててくれたね。
この話をしたときにある女の子は「若いときには苦労をしろ、という意味?」と言いました。渋みは苦労であるとは限りません。完熟するまでの間に経験すること、学習すること、考えること、悩むこと・・・・・・これらがすべて渋みとなるのでしょうね。
良い渋柿地代を過ごせばこそ、鳥と人間が空の上から木の下から(笑)、その時を待っているのかもしれません。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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