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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   死とは人生の締め切り   海亀航

 追われる立場で動物としての知恵を絞って相手をまくこと、いやもっと危なくぎりぎりまで追いすがられて、自分の脚力だけを頼りに辛くも逃げ切ること、相手の存在に一瞬早く気づいて巧みに回避することにさえ、大いなる喜びがこめられているのかもしれない。そういうときにこそ、弱い動物は自分が生きているという実感を改めて感じて、幸福感を味わうのかもしれない。そういう濃密な時間のうちにこそ、死は正しい形で用意されている。それを承知の生命ではないのか。生きること自体がある種のわななのかもしれない。野生の動物は、この境地を最初から心のうちに具備しているのだ。動物は愚かだから悩みがないというのは大間違いだ。動物達はお互いに大きな知恵を共有することで、個体のエゴを制限しそこにちゃんと安心立命を見出している。人生には「死」という締め切りがあるからこそ充実した生活が送れるという意見に、僕は賛成である。(是非)
 なぜなら、第一の理由に「死」と同じで「締め切り」というものが大事だと考えるからである。例えば、国語のワーク。締め切りは来週といわれると後でやればいいやといってやらないでほったらかしにしてしまう。しかし、締め切り前日になると休み時間まで熱心にやってしまう。ほかにも、社会の「世界の新聞」で、僕に与えられた課題はフランスを調べることなのだが、まだ手をつけてない。しかし、先生が一言締め切りの日を言えば、僕だけではなく、僕のクラスの全員が一斉にがんばりはじめるだろう。やはり、締め切りがないとだめなのか。締め切りは大事だと思う。(体験)
 第二の理由は、僕は、死を意識することで精一杯生きることの重要さに感動したからである。この前、イラクで日本人二人が死亡した。会議へ向かう車上で襲われたテロ事件である。彼らは防弾ガラスの車を使用していたが、それでは薄すぎたらしい。彼らの目的はイラク復興のためだったが、こんなことが起こってしまっては意味が無い。しかし、イラクの緊張した社会の中で、彼らの感じた使命感は並大抵のものではなかったに違いない。僕の普段の生活は、朝ゆっくりおきて、歩いてゆっくり学校に行く。日常の生活には「死」は感じない。だからやらないですませてしまうこともあるのだ。だが、人間はいずれ死ぬ。だから、死を覚悟しなければならない。イラクで死亡した一人はラグビー協会に貢献していた。学生の頃は、ラグビー界で活躍したそうだ。もちろん彼は死を覚悟していたわけではないのだろうが、自分の生を無駄にしないように生きていたと、僕は感じた。(データ)
 たしかに、死を前にするとがんを告知された人が絶望感をもつように人間は弱くなるかもしれない。だが、死があるからこそ人間は目的を持ち充実した生活を送れるのだ。だから、人間には締め切り、または人生の締め切りである死が必要なのである。僕だって死ぬことには変わりは無い。だからこそ、死んでしまう前にやりたいことをやっていきたい。(是非)

   講評   ima

とても、感動しました。いい文章です。いっきに読んで、「うーん」と唸ってしまうような、十分手ごたえのある内容でした。先生は、中学生、高校生のとき、その日暮らしで、のほほんと生きてしまい、こんなに難しい問題を考えませんでした。大学生になってやっと友達ともこんな内容を話しました。いろいろなことに全力投球している航くんだから、とても重みのある文になっていますね。
理由の書き方、結論の書き方などよく書けています。
清書として発表したいですね。
新聞投稿は、自分ですることになりましたので、出してみてはいかがですか。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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