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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   一瞬   こめ

 母親が、ある日ひとつがいのチャボを買って来てくれた。しかし、ある朝、何かに襲われたため、前日まであんなに元気だったのに、死んでしまった。生命とは、何かのことで一瞬にして消えていってしまうものである。失われるのは生命に限らない。大切にしていたものでさえ、一瞬にして離れ去り、二度と戻ってくることがない。人生では、そういうことが起こる一瞬があるのである。何十年かの後、ブリュッセルの美術館で、この時感じたものをはっきり思い出させずにおかない一枚の絵に会った。
 僕は、この世にあるものは何であろうがいつ無くなってもおかしくないと思う。だから、今の一瞬を大事にして生きていきたい。そのためには、どうすればよいか。
 第一の方法としては、どんなものでもいつかこの世からいなくなるということを自覚して生活することだ。長文にもあるように、とても大事にしていたものでも、いつかは離れ去ってしまう。僕は、かなり昔にスズムシを買ってもらった。そのスズムシは、最初は十数個の卵だったが、卵を孵して大事に育て、ようやく成虫にした。しかし、祖父の家に泊まったとき、飼っていたケースのすき間からスズムシが全て逃げてしまった。そのスズムシは、全てテーブルの下に置いてあったゴキブリホイホイに入っていた。おそらく餌のにおいにつられたのだろう。もちろん、そのスズムシはそのまま死んで捨てられてしまった。僕は、この時とても悲しい思いをした。また、この体験から、生命の命は、いつ無くなるかわからないということを学んだ。大事にしていたものがなくなったという経験は誰にでもたくさんあるはずだ。しかし、そういったことを自覚していない人も多いと思う。だから、どんなものでもいつかこの世からいなくなるということを自覚して生活することは大事なことだと思う。
 そして、第二の方法としては、今の一瞬でも大事に使うことだ。一瞬は、ほんのわずかな時間であるが、馬鹿にしてはいけない。なぜなら、ほんの一瞬油断したために優勝を逃したり、人生を変えてしまったりすることがあるからだ。例えば、今川義元は、兵の数が織田信長よりもはるかに多かったため、安心して休憩していたが、そこを織田信長に突かれてしまい、一瞬の油断のために命を落としてしまった。また、ほんの一瞬の努力することも、ときにはとても大事である。例えば、僕はテスト終了間際で努力してなんとか答えを思い出し、それによって点数が上がったという実例がある。一瞬を無駄にしては、いけないのだ。
 確かに、空気や地球のように、いつまでたっても無くならないように見えるものはたくさんある。しかし、そういったものもいつかは絶対に無くなってしまう。一瞬ではできないこともたくさんあるが、前にも書いたように、一瞬の努力によって人生が左右されることさえある。「聞くは一時の恥聞かぬは末代の恥」という言葉がある。一瞬我慢すればいいものを我慢しないでおくと、かえってそれが人生を変えてしまうことがあるのだ。だから、僕は、今の一瞬を大事にして生きていきたい。

   講評   yuu

今この時、ぼんやりと教室の窓から外を眺めているときも、別の場所では一生に一度の一瞬を喜んだり嘆いたりしている人がいるはずです。
もう決して戻れないこの一瞬を大事にしたいですね。
要約、本当に見事にまとめてくれましたね。作者の体験談という形式で書かれていたので、論旨の見定めが難しかったと思いますが、よくがんばってくれました!
三段落(第一の方法)と四段落(第二の方法)は、一つの段落にたくさんのことが満載になってしまっています。それぞれ2つか3つの段落構成に分けてあげるとすっきりすると思います。三段落の「大事にしていたものが」からは、特に段落を独立させてあげたほうがきれいにまとまるはずです。



昨今の日本では、動物を家族の一員として大事にする(かわいがる)ペットブームになっています。毎日バランスの良い食事をして、外敵におびえることなく生活しているペットたちの寿命も昔にくらべると比にならぬほど延びています。病気になっても動物病院に行けば、人間なみの(笑)抗生物質まで投与してもらえます。このような動物たちはきっと生死の感覚や恐怖・警戒の動物的本能を既に失っているのかも知れません。
考えてみると私たち人間も、このペットたちと同じように、のんびりぼんやり生活しているように思えます。今日、天敵を倒さなければ飢え死にしてしまう……という境遇にないからですね。
スズムシたちに教えてもらった切ない気持ち、哀しみ、無情感をこれからもしっかり心に留めて、今の一瞬を大事にしていきたいですね!


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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