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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人々が持つ文化   はるる

 文化を人間が集団として恣意的に創り出した記号体系として捉えるならば、各文化間の相違が現われてくるのは当然であるが、それのみでなく、その分節がある意味では恣意的でありうるが故に、文化の行なう秩序化からはみ出してくる部分が出てくるのは想像に難くない。そのはみ出した部分をそのままにしておくことは秩序の破壊につながってくるため、文化はそのはみ出した部分を禁忌として抑圧する必要があるのである。私は自己の視野だけで、他の文化、もしくは自分の文化からはみだしているものを差別するべきではないと思う。
 そのための第一の方法は、幼いころから異文化に多く触れることだ。私は今となっては誰にも信じてもらえないが、一応帰国子女だった。そういう意味では、おそらく私は一般的な日本人の子供と比べて多少異文化に触れる機会が多くあったと思う。私がアメリカに住んでいたのは二歳から六歳までの間だった。その間のことを今思い出してみると、本当に自分のまわりに様々な人がいた。肌の色が黒い女の子、金髪の男の子、茶色い眼をした先生に、青い眼をした先生。現在では考えられないほどの多種多様な人間が私のまわりにいた。もちろん皆それぞれの文化を持っていたことだろう。そのおかげだろうか、私はあまり人に差別意識を持たない。もともと幼い頃から異文化に触れていた私には、確固たる自分の文化を持っていなかったので差別のしようがなかったのかもしれない。けれども小学一年生として日本に帰ってきた時は結構大変だった。なぜならば、相手にとって私は少しはみでた人間だったからだ。
 第二の方法は、できれば早い時期から異文化について教育することである。日本の歴史を顧みてみても、日本は閉鎖された国だったとわかる。ペリー提督が浦賀にやってきた時はさぞかし地元民は驚いたことだろう。彼らは必死で自分達の文化の枠に外国人をはめようとした。その結果が「鬼」だ。(歴史実例)もちろん現代では、昔とは比べものにならないほどの異文化についての教育がなされていると思う。しかし、それでもまだ充分とは言い切れない。充分な教育がなされているとしたら、なぜ日本人は外国人を見ると慌て、話せなくなってしまうのだろうか。
 確かに個々の文化は大切だ。けれどもそれが人間と人間を阻む壁になってはならない。(自作名言)私たちは大きな文化の他に、それぞれが小さな独自の文化と多種多様な差別意識を持っている。相手が別に外国人でなく、日本人であってもそれは適用される。むしろそちらの方が日常生活の上では多いだろう。世界はどんどん一体化へと向かっている。相手の文化を理解し、共に思考しあえるようになる世界ができたとしたら、どんなに素晴らしいことだろう。

   講評   sugi

 やや読みづらい長文だったけれど、異文化に対する差別意識を持たないということを中心として、うまくまとめることができました。要約部分は、「人間は文化を作ることによって混沌の世界に秩序を与えたが、逆に文化によって規制され、その枠内でしか行動できない。文化が異なれば世界が異なるのと同じだ。」と、少し分かりやすく噛み砕いてみてもいいと思います。
 はるるさんは、六歳までアメリカに住んで、異文化を自然に受け入れることができるのだね。はるるさんにとって幼い頃アメリカに住んだ経験は、英語を学んだとか人種の違う友達ができただけでなく、自分の文化の枠を広げ差別意識を持たないという、実に大切なことを教えてくれたようだね。ところが、ほとんど異文化に触れることなく生きてきた人間にとっては、文化の異なる人はそれこそ『鬼』のように見えても不思議はないのだね。歴史実例、ぴったりうまくはまりました。
 文化の違いが人間同士の壁とならないような世界になれば、この地球上の多くの問題が解決するような気がします。自作名言も入って、最後の段落もりっぱにまとまりました。

顧みてみても → 顧みても(このほうが自然な気がするのですが。)

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