対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   チャンスに変える   REI

家の縁の下に、野良犬が仔を生んでいた。飼いたいと母にせがんだが、たくさんの子犬たちはどこかへいってしまった。最後の一匹もいなくなってしまった時、少女は今までに体験したことのない、小動物に対する愛情が芽生えたのだ。それから犬の代わりにと、母がチャボを飼ってきた。犬のように一緒に遊んだり出来ないが、小屋の掃除をしたり、チャボの身の回りの世話をした。ところがある日、小屋の中にチャボの姿はなく、茂みの所に血で真っ赤に染まったチャボが横たわっていた。死は、誰もが予期しない時に突然やってくる。今まで、当たり前のように隣にいたものが、ぽっかりとそこだけ穴が開いているのだ。
 中型犬のように大きくなってしまったお父さんのジュン。怖がりで階段の上り下りも出来ないお母さんのプリン。人見知りで、毛玉のようにフワフワしている赤ちゃんのモコ。本当にかわいらしい三匹のポメラニアンと、私たち四人家族は暮らしている。そんな子供たちの大好物であるお肉を、母がちぎってあげていた。三匹とも、お肉を飲み込むように食べては、次頂戴と言わんばかりの目で母を見つめている。その時、事件は起こった。モコちゃんの喉にお肉が詰まってしまったのだ。背中を叩いたり、「モコ」という皆の掛け声にも答えず、苦しそうにしている。母が車を飛ばして動物病院へ急いだ。私と妹も飛び乗った。もしかしたら死んじゃうのではないか、そしたら母は自分を責め続けるのではないか、とか色々なことが頭の中を駆け巡り、涙が拭いても拭いてもこぼれ落ちた。どれ位時間がたっただろうか。先生に抱かれて、少しぐったりしたように見えたが、無事に戻って来てくれたのだった。
 こんな事件があってから、私たち家族にとって、三匹の子犬はかけがえのない存在だと改めて気付かされた。結局私たち家族は幸せに暮らしている。しかし不幸をもたらされた家族もある。元彼にストーカーされ、殺された女子大生の事件はマスコミを騒がせた。男にみつがしていたのだから女の方にも責任がある。とか、嘘の事実をたくさん書かれた上に、名誉をズタズタにされたのだ。警察も何をやっているのかと、怒りがこみあげてくる。ストーカーされ嫌がらせに耐え切れず、何度も警察に助けを求めたのに、何一つしようとしなかった。もし警察が、あの時何か問題に対処していたら、女子大生は今を楽しく生きていたかもしれない。しかし、両親は悲しみにくれてばかりはいなかった。彼女の名誉回復のため、犯人と警察と週刊誌を訴えたのだ。それから法律も変わった。今までなかったストーカー法が、この事件から出来たのだ。
不幸な事に出会っても、それにただ嘆き悲しんでいるのではなく、それを生かして、これからどうするのかを考えるべきである。「今日という日は、明日という日の二日分ある。」という名言がある。今日一日を過ごす。当たり前の事だけど、素晴らしいことだ。今こうして平和に生きていることを当然と考えるのではなく、その日が無事に過ごせたことに感謝する。嫌なことが起こっても、それをチャンスに変えて前向きに考えるように生きようと思う。

   講評   sumomo

今日を幸せに生きることを当然と思わないで、何事もなく一日がすごせればそのことを感謝し、なにかつらいことがあれば、それをいろいろなことについてもう一度考えるためのチャンスとして、前向きに生きていくべきである。この結論に私はしみじみ同感だなぁと思います。電話では我が家の犬の脱走の件をお話しましたが、そのほかにも今年は私にとって大きな転機となるできごとがありました。何事もなく毎日をすごすことができることの幸福をあらためて考えることができました。REIさんにとっても、きっとこれからいろいろなできごとに出会うことでしょうが、今回の作文のように考えられると自分に大きな収穫があると思います、ストーカーの事件は社会実例としてうまく活用できていると思います。こんなことが再び起こらないように書くことで自分の意見を整理できるといいですね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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