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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   コトバとココロの関係   ピエッパ

 小さい頃いたずら好きだった僕は、いたずらをしては母に怒られていた。例えば、窓ガラスにクレヨンで落書きをした時でも、
「何やってんの!なんでそんなことすんの?」
「なんやわからへんけど・・・」
「何がわからへんの?やったらあかんことくらいわかってるやろ?」
「だって・・・(泣)」
のようになってしまう。何か理由があるはずだが、言葉で説明できない。そんなもどかしさからか、最後には必ずと言っていいほど泣いていたのを覚えている。このように言葉で説明しきれないことはたくさんあって、言葉以外の表現は社会の中で大きな役割を果たしていた。しかし現代、僕たちは言葉というものの力を過信しすぎている。そのため、言葉だけで判断する面が増えてしまっているのだ。例えば、カップラーメンに書かれている「熱湯注意」。これはカップラーメンを作る際、お湯をこぼしてやけどをしてしまった時に、企業が訴えられないようにするためにあるらしい。僕は、ここまで言葉にこだわるのは少し問題だと思う。そうなった原因は一体何であろうか。
 まず第一の原因として、相手の気持ちを読み取るということが欠けているからだと思う。昔日本にいた武士たちは、人の心を読むということ(いわゆる読心術)も修行しており、それも武術の一つだったといわれている。だから、言葉に出さなくても、表情や雰囲気で相手の気持ちを察することができたのだ。しかし、武士など存在しない今は、相手の気持ちを推測できる人が少ない。例えば「謝る」という行為をするにしても、昔は
「すまぬ」
という一言で相手は許す気持ちになれたことだろう。しかし現在は
「〇〇さんに△△をしてしまい誠に申し訳ありませんでした」
というように、反省していることを言葉に表さないと、相手に伝わらない気がしてならない。僕達はこれから洞察心を身につけなければならないのだ。
 第二の原因として、欧米に対抗するためにディベート技術を習得する必要があったからだと思う。日本は開国後、アメリカやイギリスなどといくつかの不平等条約を結んでおり、それらの撤回にすごく苦労した。というのも、前にも書いたように日本人は心で通じ合うことができたので、言葉で考えを伝えるというのは苦手だったからだ。それだけではない。昔日本に住んでいたカンガルーなどの有袋類が滅んだのは、周りと接していなかったからだといわれている。これと同じように、日本でも長い間行われてきた鎖国によって、世界と壁ができていたからだとも考えることができる。いずれにしても、このようなことで日本人は口先がうまくなければならないことを知り、現在のような口達者の人が増えていったのだ。(自然科学実例)
 確かに、言葉で考えを伝えるということは大切なことだ。しかし、
「言葉だけでは伝わらない気持ちがある」(自作名言)
というように、言葉ばかりにこだわらずに、その裏にある心まで読み取るべきだ。

   講評   huzi

 小さな子が、言葉で伝えられないもどかしい気持ちを、「泣く」という行動で示すことはよくありますね。冒頭、意見文の導入の工夫、今回も生き生きとしています。熱湯注意』もうまく入れられたね。 
 全項目をクリアして、作文テストは、合格!
 【原因】には、日本人の“察する”ありかたを説明していますね。 「すまぬ」は粋ですが、「すまぬ」ではすまないのが、現代社会。私たちは、追い詰められるようにして、「なぜ・どうして」を追求してしまいます。
 さらに、もう一つの【原因】として、ディベート技術への傾倒。 外国に言い負かされてしまった経験がよほど悔しかったのか(笑)、言葉で説明することの大切さをしっかりと学んだ近代日本。 しかし、口達者であることと、ディベートで意志を伝えることが、混同されるようであってはならないですね。
 【自作名言】は、ただし書きもしっかり入れて○。 さらにもう一ひねりできれば◎。たとえば、「言葉は気持ちを伝えはしない。気持ちは言葉を探しているのだ」。

 ところで、日本に有袋類はいた!? これは勘違いですね(笑)。
オーストラリアで有袋類がのんびり繁栄することができたのは、大陸の過酷な生存競争から隔離されていたからである(自然科学実例)と、直しておきましょう。

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