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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   二つの「豊かさ」を求めて   高峰

 中学生の友達に、一月の小遣いをどれくらい貰っているか聞くと、様々な答えが返ってくる。2000円、5000円、10000円・・・。多額の小遣いを貰っていながら、それとは別に一万円を越す携帯電話の使用料金も小遣いとは別途で払ってもらっているという友達もいるのだから、驚きである。お金をたくさん持っている友達は、子供心にしてみればやはり魅力的はである。やたらと気前が良いと、自然と人は寄ってくる。しかし、お金の魅力に寄ってきた人間は本当にその人の「友達」なのであろうか。友達とは、金銭や損得や利害関係を加味して選ぶものでは無い。その人の人柄、心に惚れ込んで選ぶものである。
 確かに、お金を初めとする「物」の魅力は大きい。そして、「物」が無ければ現代人は何もできない。ヒトの進化の過程において、生活を便利にするために発生した数々の「物」は私達の日々の暮らしを大きく変えた。手元に何か物があるだけで、私達は安心感を得ることができる。例えば、携帯電話などという進んだ文明を持っていない、私という猿人(笑)。外出時、もしも何かあった場合は当然、家に電話しなければならない。しかし携帯電話が無い・・・。ポケットの中に入れておくだけで安心するテレホンカードが、私に与えてくれる安心感は絶大である。実際、登校後に忘れ物に気づき、慌てて家に学校の公衆電話から電話をかけて忘れ物を母に届けてもらったことが何度かあった。いちいち学校に忘れ物を届けに来てくれる母にしたら、たまったものでは無いのかもしれない。けれど、そのおかげで私は先生からお目玉を食らうこと無く済んだわけであり、テレホンカードは私にとっての安心剤なのである。そして、テレホンカードを使って電話をかけるという行為は無論、公衆電話が無ければできないことであり、公衆電話やテレホンカードといった「物」の存在はやはり無くてはならない。
 しかし、物だけがあれば良いのか。それは違うと思う。物は無くても、持ち前の人柄と心で天下を獲ったと言われている人物がいる。そう、猿のニックネームで有名な、あの豊臣秀吉である。寒い寒い冬の日に、当時の主人だった織田信長のぞうりを懐で温め、見事に信長の心を射止めた話はあまりにも有名である。その後秀吉は、戦争になってもその巧みな話術や人柄で、相手の武将を降伏させたりと出世街道をまっしぐら。貧乏な農民出身の秀吉ではあるが、豊かな心で天下を勝ち取るまでに至ったのだ。秀吉の功績はまさしく、「お金や物よりも心じゃ!ふぉふぉふぉ」と私達に伝えてくれているような気がしてならない。
 さて、それでは現代を生きる私達にとって本当に必要なものは何なのだろう。何をもって私達は「豊かだ」と言えるのであろうか。私は、本当に必要なものは「両者を尊重できる社会を作ること」だと思う。やはり、物も心もどちらも尊重であり、今の段階では結論を出すことは不可能に近いだろう。しかし私達が今後どのような社会を作っていくかで、物の豊かさが心の豊かさに繋がったり、心の豊かさが物の豊かさに繋がる時代が来るはずである。「ロバが旅に出たところで、馬になって帰ってくるわけではない。」という言葉がある。けれど、豊かな「物」を豊かな「心」に、豊かな「心」を豊かな「物」に変えられる時代を築いていきたい。まずは、簡単なほうから始めるのが良いかと思う。心を物に変えるのは少し大変なことであり、この先まだまだ時間がかかるだろう。だが、物を心に変化させるのは、近い将来可能になりそうだ。むしろ、現代社会はその一歩を踏み出していると言っても過言ではない。障害者の方のための製品——豊かな「物」——の開発などにより、私達の心は何となくだが豊かになっている。それが確実に実感できるような社会を築くのが私達の第一の課題だろう

   講評   jun


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