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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   疑問を持てなくするマニュアル   こめ

 「地球は、何故自転しているのだろう?」「何故、陸にある地層から海に住んでいた貝の化石が見つかるのだろう?」
これらの疑問のように、人間は、昔から物事に疑問を持ち、それを研究などをして解決していくことによって文明を発達させていった。現代人も、本を読んだりしているうちに「どうしてこうなるのだろう?」というような疑問を見つけ、それを解決しようとして調べたり、人に聞いたりしている。その一方で、最近は様々なものにマニュアルというものがついたことにより、疑問を持たなくてもそれを見れば使い方がわかるという世の中になってしまった。例えば、私の家の最寄り駅では、停車する電車のドアの数がバラバラ(快速は4つ、普通は3つまたは4つ)で、いつもどこに並べば良いのだろうという疑問を持っていた。しかし、ATOSと呼ばれるシステムが導入され、列車が接近すると「まもなく、1番線に、普通、勝田行きがまいります。(中略)この列車は、3ツドア、11両です。(後略)」と、全て自動放送で言ってくれるようになってしまった。これは便利だとは思うが、今までは疑問が持てたものが持とうとしても持てない状態になってしまった。皆、そう思うであろう。マニュアルが便利で疑問が持てなくなり、しまいにはマニュアルでしか行動できない人間が増えてきている。私は疑問を大切にし、いつでも疑問を持つということを意識するべきだと思う。そのためには、どうすればよいか。
 その方法としては第一に、何事にも真剣に考えてみることである。例えば、新聞をよく読み、それについて考えてみることでも、疑問が生まれる。また、学校の授業でも、真面目に取り組んでいれば、疑問が出てくるはずだ。歴史に名を残してきたアインシュタインやニュートン、コペルニクスなどの数々の学者も、真剣に考えたことにより、疑問を見つけて大発見をしている。
 その方法としては第二に、マニュアルというものになるべく頼らないことである。マニュアルは、使い方によっては疑問を持てなくする。例えば、パソコンの使い方も、いちいちマニュアルで調べていては、完全に自分のものにはならない。私は、今はパソコンが得意であるが、昔はもちろんそうではなかった。初めて使った頃は、何がなんだかさっぱりわからなかった。しかし、マニュアルを使わずに何回か変な操作をしてパソコンをバグらせているうちに(笑)、正しい使い方を自動的に覚えていき、今ではとても上手くなった。どんなことでも、自分で疑問を持っていれば、マニュアルなど必要ないのである。
 確かに、マニュアルはとても便利で、正しい使い方を理解できる。しかし、マニュアルは最初に使うのではなく、最終手段として使うのが正しい使い方なのだと思う。人々が疑問を持たなくなっては、文明は発達しなくなってしまうだろう。だから、私は疑問を大切にし、何事にも疑問を持つということを意識するべきだと思う。

   講評   kamono

何ごとにもマニュアル付きという、マニュアルばやりの社会に対し、果たしてそれでいいのか、という考察の文章です。全体として、組み立ても、結びもこれで申し分ありません。
ただ、少し気になることを最初に言います。それは状況実例として取り上げた、停車する電車のドア位置を知らせる自動放送について、です。来る電車によって停車する電車のドアの数がバラバラなので、ドアの位置を知らせようという放送ですね。これをマニュアルとしてしまうのは、少し、無理があるかもしれませんね。
「いつもどこに並べば良いのだろうという疑問を持っていたが、その疑問をもてなくなってしまった」という指摘です。でも、どこにドアが来るか、前もって乗客には分からない、どこに来るか、その疑問を持つことが乗客にとってどれだけ有益なことなのか、と考えてみると、ここで取り上げようとするマニュアルばやりとは、ちょっと異にするという感じです。別の状況実例を持ってきたほうが、ふさわしかったと思います。
そこを除けば、マニュアルばやりに対する考察は、実に的確な指摘ができました。
「最近は様々なものにマニュアルというものがついたことにより、疑問を持たなくてもそれを見れば使い方がわかるという世の中になってしまった……」から以下の指摘は、その通りですね。
「マニュアルが便利で疑問が持てなくなり、しまいにはマニュアルでしか行動できない人間が増えてきている。疑問を大切にし、いつでも疑問を持つということを意識するべきだと思う」。そうですね。とてもよい意見です。理由1、2もそうですね。
もう一つの状況実例、パソコンのマニュアル、これも自分でやってみて初めて飲み込める、その通りですね。パソコンのマニュアル文章は、その文章が下手くそで、何を言っているのか分からない、ということで有名ですね。
さて、これから一緒に作文の勉強をしてゆきましょう。

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