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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   はんぺん小僧VS火   れもん

 はんぺん小僧、いつのまにか私はそう呼ばれていた。まあ、それは仕方のないことなのかもしれない。私の作る数少ない料理の内容は全てはんぺんだからだ。(書き出しの工夫)
 「料理でもしようかな。」
まるで空から「雨」が降ってくるのではなく、「あめ」が降ってくるぐらい珍しく、料理をしようかと考えた。(たとえ)でも、思いつくのは簡単だが、一体何をつくったらいいのだろうか。ふと本棚に目をやると、昔買った本についていたレシピが目に入った。(これだ!)と思った私は早速レシピを開いて簡単そうですぐにできるような料理を探した。すると、はんぺんとハムとチーズとのりを使った料理を見つけた。料理をしようという気持ちが冷める前に、つくることにした。近くのスーパーで材料を買ってきて、早速つくる。材料を適当な大きさに切るのは簡単だ。しかし、その後に私にとっての最大の山が待っていた。それは、切ってのりで巻いたものを焼くというものだ。たったそれだけのこと、と思うかもしれないが、私にとってはエベレストよりも高い山のように見える。十年前の私だったら周りからみたらあぶないかもしれないが、私は全く平気だったであろう。しかし、時の流れというものは恐ろしいものだ。十年ずっと色々な人が料理する様子を見てきた。料理にはやはり火がつきものだ。たくさんの料理をしている姿を見てきたが、火を使っているときに、はねていないものはほとんど無いのではないかということに気が付いたのだった。(前の話)それに、最近のニュースを見ていると、サラダ油がどうとかこうとこかなどということで火事が起こったなどというニュースもしょっちゅうやっている。そんな状態の中で、火をつかって料理ができる人のほうが私は尊敬してしまう。それぐらい私の火に対する、熱いものに対する恐怖心は並のものではない。ポットから湯のみにお湯を注ぐのも跳ね返ってくるのが怖くてできないぐらいだ。
 いざ、勝負。火をつけて、フライパンに油を注ぐ。チーズを溶かす。少しパチパチと反発してきた。まだ大丈夫だ。と思いながらも心臓の五分の一はドクドクと荒れていた。そして、巻いたものをいれ、しょう油を注ぐ。大変だぁぁぁ。パチパチパチッ。さっきの二倍ぐらい反発してきた。心臓の五分の四が荒れてきた。とうとう残りは五分の一だ。残り三分ぐらいを息をとめるいきおいで過ごし、そしてやっと火を消し、皿に移した。よかった〜。本当によかった。なんとか勝利。これで終わりだ。
 余分につくった1個を味見してみた。なんんともいえない不思議な味がした。まあ、おいしいと思うことにしよう。それから三回ぐらい料理をする機会があった。レシピで探す気もしなかったので、全て同じはんぺん料理をつくった。そして、いつのまにか、祖父から「はんぺん小僧」などというおかしなニックネームを付けられてしまったのだ。人間にとって料理というのは、限られた人生の時間をおいしくするためのアイディアなのだ、と思った。これからははんぺん小僧から頑張って脱皮したいと思う。(書き出しの結び)

   講評   nara

 生活作文で1200字の作品にするには、一つ一つの動作を丹念に追っていくか、力技で一般化していくか、……いろいろなパターンがありそうだ。今回は前者のやり方だね。しかし、はんぺん小僧とはいくらなんでもれもんさんがかわいそうだなぁ。せめて、はんぺん娘とか(笑)。はんぺんからの脱皮なのか小僧からの脱皮なのかよくわからないけれど、料理は楽しいよ。その楽しさに目覚める日がきっと来ると思うよ! 火や油を使わない料理もあることだしね。
 れもんさんが火を恐がるようになったのは、直接的な何かきっかけがあったのだろうか。自分や家族が火傷をしてしまったとか? なぜ「並のものではない」ほど恐怖心を抱くようになったのかが、ややわかりにくいかな。理由があれば書いておくといいし、理由がないのであれば「理由があれば克服もできそうだが、それがわからないので、打つ手がない。」などと説明することもできそうだね。
 「いざ、勝負」からは緊迫しているね。ここは、このくらい大げさに書いたことで、おもしろさが加わってくる。(普段、料理をする人間からすれば大げさでも、れもんさんにとっては真実かな?)まさに、戦いだ。格闘した相手がはんぺんというのも大げささとのギャップになっていて、おもしろいね。
 テンポよく楽しくまとめられた。書きながら楽しんでいるということがよく伝わってくるよ。筆(というかキーボードを打つ指?)が踊っている感じの作文だね。

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