対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日44 今日722 合計766
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   擬音語、擬態語   FULLMOON

 日本語には、多彩な水の表現があるのだが、オノマトペは、同質社会でこそ微妙な伝達の機能を発揮できるが、異質な風土異質な文化のなかに住む人にはさっぱり通じない。なぜなら、擬声語、擬態語というのは、あくまで感覚的な言語であって、言語の重要な性格である抽象性をもたないからだ。私はオノマトペを言語と音楽との接点として考える。それは人間の感覚を音声そのものによって表現しようとする伝達の手段だからだ。
 その擬態語、擬音語を自分のものにするために有効な方法の一つに、読書がある。話しによると、宮沢賢治の本には多くの擬音語、擬態語が使われているそうだ。私が思うに、本に擬音語擬態語が多く使われるのは、本ならではと思う。私たちが本から得る情報には、動きが無い。動いていることが分かっても、動いている様子を直接目で知ることはできないからだ。そのため、読者に様子を伝えるため、よりリアルで分かりやすい擬音語擬態語が必要になってくるのである。他にも、私たちが詩を楽しんでいるときいい詩に出会うと、「そんな擬音語があったか…」と考えさせられてしまう。
 また、いいラジオパーソナリティーは、擬音語擬態語の使い方が上手い。例えば2時間生放送のラジオの場合、オープニング、1曲目が終わって、CMがあけるとフリートークの時間がある。たいていの場合、この1週間で自分にあったことなどを中心に話を展開するのだが、そこでラジオの難しさが出る。テレビ番組なら簡単な再現VTRや再現アニメーションが出るが、ラジオにはそれが無い。そこで大切なのが擬音語擬態語なのである。以前「こう、目の前をシュパシュパシュパッと」みたいな擬音語を聞いたことがある。それもきちんとした有声音ではなく、それこそ舌、口、唾液、息遣いすべてをうまく使った擬音語だったのである。そんな擬音語を使ってもらえば、リスナーの私たちはその状況をイメージしやすい。そのパーソナリティーのフリートークが、状況をイメージしづらいなら、私ならラジオの電源を切ることもあるので、こう考えてみると大切なものだと思う。
 もうひとつ大切なのは、感性を大切にすることである。すばらしい表現能力をもっていても、その前に仕入れる情報の質が悪ければ、宝の持ち腐れである。そのために、五感を鍛える必要があり、それを自分の頭の中で具体化する力をもつ必要がある。
 私の学校の音楽の教師は、合唱で全国的に有名で、彼の教え方はかなり特殊である。「身体を大きく使っていい響きをつくる」ために、宮崎駿の「トトロ」を例に挙げる。しかも例に挙げるだけでなく、真似をしてイメージをつくるのである。「ぶぉぉ!」これが結構勉強になるし、「こんな感じなのねぇ〜」と納得してしまうのだから不思議でしょうがない(笑)。これは1年生の最初か2回目の授業で必ずやることらしい。また、「沈まない音程を保つ」ために、「歌うときに奥歯を5mm上げるイメージで」といつも教えている。これもまた、「おぉ、いい感じ!」と、すごくしっくりくるのである。実際、良い歌い方を見つけても、それはどのようにイメージを持ったのか、それを他人に教えるために具体化するには素晴らしい感覚が必要なのである。
 確かに明確できちんとした言葉を使うことで性格に伝わると思う。しかし「時として、正常な視覚を持っている人より視覚障害者のほうが、はっきりものが見えることがある。人は見ているつもりで、見ていないことがよくあるものだ。」という名言のように、ハッキリしないほうが逆に正確さを得ることもあると思う。ハッキリしなくてもきちんと何かを示せる生き方も、良いのではないか。

   講評   kamono

日本語に豊富にある擬態語・擬声語について考察し、そこから味のある文章が書けました。本に多くの擬態語・擬音語が使われる理由を考察し、そこから音声だけのラジオのパーソナリティー番組にも、よく使われるね、と展開したのは、うまかったですね。たしかにそうだなあ。ラジオでは、そういうのをうまく使うと、聴く人にリアルに伝えることができるね。「それこそ舌、口、唾液、息遣いすべてをうまく使った擬音語だった」。あははは(笑)。これは、うまいうまい。
音楽の先生の実例をもってきたのも、「おぉ、いい感じ!」だよ。これも、ほんとうに、うまいうまい。5月1週目から、快調に書けています。明確できちんとした言葉を使うことが性格(→正確)に伝わる、という反対意見も、うまく抑えました。結びもいいです。この調子で行きましょう。十分に、ほめましたから、注意を。……が、……が、は止めましょう。「が」を二つ続けることのないように。一度、切ること。「表現があるのだが、機能を発揮できるが、」のところです。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)