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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   時間という概念   鉄龍

 魏志倭人伝に記されている航海の例のように、流れないときや時間を超えたときは存在した。そして、時はつかんだり、目で聴き、耳で聞くことのできる「もの」である。かつて筆者がラオス北部の村で、子供の年齢を知らない親に出会ったとき、文化が低い所は困ると最初は思っていたが、その後彼らが直接的で生き生きとしたときのとらえ方をしているのだと気づいた。日本とボルネオ、「私」と「あなた」のように、時間は決して一つになってはいない。(要約)近くに時計があると、ついついそっちの方に目がいってしまって、物事に集中できないことがある。我々は時計というものと、今は切っても切れない関係になってしまったが、それが集中できるものを気を散らすものへと変えているのかもしれない。そもそもスケジュールを立てて、それに従って動ける人と動けない人がいるのだが、スケジュールにどうしても縛られてしまう現代の生活が問題である。
 スケジュールに縛られる原因としては、第一に学校教育が問題なのだ。例えば、「一時限につき五十分授業、その合間に休憩が十分」と、あらかじめ学校の授業をする時間が決められているのが普通だ。しかし、現実はそう甘くはなく、きりが悪くて五十五分かかるとか、先生の都合などで四十分になったりと、どうしてもばらつきが出てしまう。それでも、先生はもちろんのこと、生徒も自分を守ろうとし、結果「時間を守ることはいいこと」になってしまう。だから、人は大人になっても時間を守ろうとする。だが、きりの悪い所で授業が終わったり、あるいは帰宅時刻が来てしまったら、せっかく続けようと思ったことを阻害されてしまったようで、気分が悪くなる。僕は、学校生活の中で一番充実できるのが放課後の部活だと実感している。それは、きりのいい時間まで続けることができるからである。(体験)
 スケジュールに縛られる原因としては、第二に時間という概念が世にはびこっているからだと考えられる。例えば、六十秒が一分、六十分が一時間、そして二十四時間が一日と、こんなことは世の中で既に決められている。しかし、いくら時間という単位を使っても、できないものはできないのである。そして、長生きしたからと言って、素晴らしい功績を残せる訳ではない。逆に、若くして死んだ人が、多大な功績を残していることもある。戦中の日本で「雨にも負けず」や「銀河鉄道の夜」などを書いた宮沢賢治は、30にもならずに死んでしまったのだが、生前の時に何の音沙汰もなかった彼の作品は、後になって絶賛された。長生きしていればどうなるか分かったものではないのだが、ただ一つ言えることは若くして死んだからこそ今の「宮沢賢治という人の概念」が存在する訳である。それに、一つの作品を書くときに、時間に規則的に書かれたかというと、そんなわけはない。不規則である。時間という概念は、物事に熱中するときには不必要なものである。「勉強もせずに2時間怠けている、駄目だ」と「勉強を2時間続けてやっているのか、いい子だ」というのは、いったい聞く人のどこを評価していっているのか分からない。勉強は勉強でも、少ししか進まなかったら意味がない、というよりそういうのは勉強とは言わないのだが(笑)。
 確かに時間に縛られて学校生活などを送ってみるのもいいことだが、しかし時間に縛られすぎると、自分がしたいことができなくなってしまうおそれがある。「人間はいつまでたっても人間」(自作名言)だから、少しぐらい時間のずれが生ずることがあるのだが、時間に敏感な人は、それが許されないのでよけいなストレスがたまってしまう。たまには、一日の時間というものを忘れて、不規則に生活してはどうだろうか。そっちの方が人間にあっていると推測される。

   講評   kiri



 こんにちは。今週は進級テスト。締め切りに間に合うよう、がんばったね。これが鉄龍さんのペースだと思うので、これを機に、本来のペースを取り戻しましょう。

●社会問題の主題
 要約に続けて、「スケジュールにどうしても縛られてしまう現代の生活が問題である」という問題点を挙げることができました。
●複数の原因
 その原因が二つ書けました。一つ目は「学校教育」。しばられた時間の中で行われる授業よりも、納得の行く時間までやることができる放課後の部活を例に挙げて、●体験例として入れました。二つ目は「時間という概念が世にはびこっているから」。宮沢賢治の例を挙げながら、説得力のある文章に仕上げました。時間でものの良し悪しを決めるというのは確かによくないことだね。学習時間という身近なわかりやすい例を挙げたのもよかった。
●反対意見への理解
 「確かに...しかし...」の形ですっきりとまとめることができました。
●自作名言
 「人間はいつまでたっても人間」はもう一息。それの意味するところがわかるように、もうひと工夫してみよう。

 キーワードも字数も、いつもながらきちんとできていました。もちろん合格です。オメデトウ。
                 

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