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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   時間   かな

 日本は時間に厳しい国である。会社でも5分遅れたら重大な会議の場合は大変なことになるし、学校でも8時30分までに席に着いていないと遅刻になったりと、物事の時間の進み方が分刻みに計算されていることが多い。そして子供の時はその細切れになった時間に合わせる時に妙な違和感があって辛いものだ。そしてだんだんと慣れていき、大人になる頃には時間の分け方と計算ができるようになってくる。それは何故か、子供には計算された時間が無いからだ。例えば、小学生が登校中にアリが巣にバッタやカマキリかなにかを運んでるのを見た時、それに一度見入ってしまうと、その子供の時間はカマキリとそれを運ぶアリを中心に流れ始める。学校の時間なんていうものはなくなってしまうのだ。大人の場合だとそこに、「早く行かなきゃ遅刻しちゃう」という考えが入り、走って駅まで行ったりすることになるのだろうが・・・。大人は座標としての時間、子供は物としての時間を持っている。私は大人たちも子供の時間を理解するべきだと思う。
 では何故そういうことがおこるのだろうか。その原因は、まず第一に工業化社会が多くなったからではないだろうか。車を作る仕事一つにしても、いつタイヤを作っていつ塗装していつ組み立て・・・このような仕事は時間に厳密でないとなかなか進まない。少しでも遅れると全体に迷惑がかかってしまうからだ。工業化社会の発達に伴い、時間を自由に考える能力も低下してきているのではないだろうか。
 そして第二の原因には管理社会の進展によって時間が正確になったことだろう。分刻みで電車は正確に動き、最近ではちょっとしたところでも必ずどこかには時計がある状況だ。 おまけに誰しもが携帯電話を持っていたりするから、いつでもどこでも正確な時間か確認できる。こんな社会の中で時間を気にせず行動するのは難しい。確かに、決められた時刻は守るべきだし、守ってあたりまえだ。しかし、そのような息苦しい世の中だからこそ「山中、暦日なし」という名言のような、のんびりとした時間にとらわれない心も必要なのではないか。時間というものは私たちを縛り付けるものではなく、私たちに自由を与えてくれるものなのだ。

   講評   nane

 久しぶりの作文だけど、なかなかうまくまとめた。
 文章の密度も濃く、表現も的確。しばらく長文音読から遠ざかっているけど(笑)、表現のセンスはかなりいいよ。自信を持ってやっていこう。
 アリとカマキリの例は実感がこもっている。子供時代に、そういう物としての時間をたくさん持っている子はたぶん幸せだよね。
 複数の原因もしっかりまとめた。この原因のパターンはこれからも使えるから覚えておこう。
 「山中、暦日なし」は、どこの名言だ。(笑)そのあとの、「時間というものは私たちを縛り付けるものではなく、私たちに自由を与えてくれるものなのだ」は、いい自作名言になっている。こういう名言をこれからも使っていこう。
 では、テストがんばってねー。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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