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　　　おにぎりはまほうみたい　　　デイジー

　「なんか今日は食欲がないな。」
と私は言い、いすにすわりました。お母さんはあらい物をしながら、
「じゃあ、ん〜。あっ、おにぎりはどう？」
と思いついたように言いました。私はお母さんの意見にさんせいしました。さっそくご飯を取り出してレンジの中に入れました。少したつとピーピーと音が鳴ったので、ご飯を手の上にのせたら、
「あっち〜〜！」
私はもう少しでふみ台の上からころがり落ちるところでした。どうしたら熱いご飯をじょうずににぎれるのか考えて、サランラップを使ってご飯をにぎってみました。今度は成功です。おにぎりの中身はタラコです。私は前に一度おにぎり作りにしっぱいしたことがあります。そのときは手に水をつけるのをわすれて、にぎったとたん手にご飯粒がいっぱいくっついてべとべとになってしまいました。
　私とお姉ちゃんはタラコおにぎりが大好きで、お姉ちゃんは夏期講習のときお弁当はいつもタラコおにぎりです。おかあさんは、
「たまにはサンドイッチでももっていったら？」
と言いますが、
「サンドイッチよりおにぎりのほうがいい。」
と言って毎日おにぎりをもって行きます。私は、
（いくら好きでも毎日おにぎりなんてあきないのかな。）
と思います。もし私だったら一週間くらいであきてしまうかもしれません。
　水をつけた手に塩をふっておにぎりをもう一度にぎりなおしてのりをまいて出来上がりです。食べたらとてもおいしかったのでほっぺたが落ちるかと思いました。食欲がなかったはずなのに、まるでまほうのように食欲が出てきてぺろりと食べてしまいました。
　私はお出かけに行くとき時々コンビニのおにぎりを買います。コンビニのおにぎりはのりがパリッとしていてとてもきれいな三角形です。でもご飯はポロポロしていてつめたくなっています。お母さんのおにぎりは形はすこし悪いけれど、ご飯はまとまっていてとてもおいしいです。コンビニのおにぎりもおいしいけれど、やっぱりお母さんのおにぎりが一番！

　　　講評　　　nara

本当に、おにぎりはふしぎだなぁ。ごはんにうっすらと塩味がしていて、具（ぐ）がちょっぴり。同じように、ちゃわんにごはんを入れて、塩をふって、たらこを入れて食べるのと、なかみは同じなのにどうしておいしさがちがうのだろうね。「にぎる」ということがポイントなのかなぁ。食欲がなかったはずなのに「ぺろり」という場めんは、まさにまほうにかかったような感じだ。
　おにぎりを作っている場めんを二つに分けて、間にお姉ちゃんの話を入れたのは、わざとこういう組み立てにしたのだね。おにぎりを作りながら、ふと、お姉ちゃんのことを思い出したような感じの組み立て方だ。ちょっとかわっていておもしろいと思うよ。
　前に作ったときと今回・おにぎりとサンドイッチ（お姉ちゃんの話）・手作りとコンビニ……このように、いろいろなことをくらべることで、最後の「お母さんのおにぎりが一番！」ということが、より強い思いとして、先生にも伝わってきたよ。それと……この作文を読んでいると、何だかおにぎりが食べたくなる。食べ物の作文として、よく書けているからだね。デイジーちゃんは、食べ物作文が得意だなぁ！
　今度、おねえちゃんのお弁当をデイジーちゃんが作ってあげてもいいし、作ったおにぎりをもって、どこかに遊びにいくのも楽しそうだね。