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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   闇の記録   ニュートン

   闇の記録
   ニュートン

 「ガシャン!」
 地面に叩きつけられる音がした。
 前方には、闇があった。闇が広がっていた。そして、後方には、かすかな光があった。僕は、この闇から抜け出せることを祈って、光へと歩み、そして、手を伸ばした。ふいに闇と光がゆがみ、回って・・・・・・。
 目を開けると、ここが病院で僕は、自分が病室のベッドの上に横たわっていることが分かった。と、突如太い男の声が聞こえた。
 「お、気がついたかぁ。良かったな。意識が取り戻せて。四針も縫ったから痛かっただろう?」
 この病院の医師だろうか。そんなことを考えながらも、僕は次第によみがえる記憶をたどった。

 十月。冬も近づき、半ば寒くなったこの時期、僕は自転車で道を走っていた。自転車が新しいこともあって、僕は色々なアクションを演じていた。その事ばかりに気をとられていて、僕は、前方にある、駐車用の鎖の事を忘れていた。僕がその事に気がついた時には、すでに遅かった。猛スピードで回転していたタイヤに鎖がからまり、いきなりストップされた時の反動はすさまじかった。自転車は前方に回転し、僕はその途中で身を宙に投げ出された。引力に逆らい、そして一時的に止まったかと思うと、今度は引力に従い、逆立ちの状態で落下していった。どんどん迫る地面の恐怖が、僕を襲った。もうダメだ。観念したその時、僕は頭に激痛が走るのを感じた。そして、だんだん霧のようにかすんで行く景色に一瞥して目を閉じた。闇が迫っていた。
あれから四年が経った。頭の傷は治り、その後異常は見られない。今では無茶をする事も無くなり、友人とふざけ合うにも、手加減をするようになった。痛い経験があるからこそ、健全な身体のありがたみが分かり、人を傷つけた場合の想像力にも現実感が伴う。闇あってこその光だ。僕はこの経験を忘れずに、今後もずっと生かして行こうと決意した。
 ここまで書いたときに、窓越しに外を眺めた。夜だった。あたりは闇につつまれている。物音の無い不気味な静けさが、闇をいっそう濃くしている。だが、やがてはそれも晴れ、消えて行くだろう。そして、輝かしい朝が始まるのである。

   講評   siro


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