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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   『自然』と『発展』   T.H・LOVE・I..R

音はなぜ、恰も生きたもののようにその表情を変えるのだろう?
即ち、音は、間違いなく、生き物なのだ。そしてそれは、固体を有たない自然のようなものだ。風や水が、豊かで複雑な変化の様態を示すように、音はわたしたちの感性の受容度に応じて、豊かにも貧しくもなる。
 芸術家とは、幽霊、幻覚、前兆、鐘の音など・・・・精霊が流れてくる水路以外の何もでもない。そして彫刻(人間の芸術表現)は、人為的に完結するものではなく、自然界の変化に応じて絶えず変化し、また成長を続けるものだ。
 このことから我々は自然に対して謙虚になるべきだ。
 第一に、我々は自然から多くのことを学べるからです。
 わたしは、学校の管弦学部に入って、ヴィオラをやっています。オーケストラなので本番が近くなると管・弦で「合わせ」と言うものをします。その時は指揮を振る先生や、講師の方もいらっしゃっていろいろと教えてくださいます。その時に自然の音に例えているときがあります。例えば、「木の葉がそよそよと揺れている感じで」とか、「小鳥がさえずるような感じで」など、小さく弾く、と言うのを注意するのにもいろいろな言い方をします。でも、想像することはできても、楽器でそれと同じような音を出すのは到底無理です。ですから、楽器の音は所詮人工的な音、自然の音にはかなわないのです。
 第二に、自然の力を借りない限り文化の発展は望めないからです。
 例えば、昔々のことです。人々は川の周辺に村を作りました。なぜなら、川の水なしでは生活ができなかったからです。稲作を行うためにも水が必要、畑作を行うにも水が必要、そんな文化があったかは分からないけど、足を洗う、お風呂に入るのにも水が必要、もちろん飲料水も必要だったはずです。何かをするためにはほとんどの場合水が必要だったのです。昔は、水を送るためのパイプなどそんなものはありません。だから、川の近くに住まなければ水が得られなかったのです。このようなことから、今まで移住生活をしていた人々は定住生活に変え、村ができ、そして貧富の差ができたことから村をまとめるものができ、それが拡大していって国ができて・・・というようにして発展してきました。発展した理由、それを突き詰めていくと川という自然だったのです。
 名言に『カメラマンは、レンズのほこりを払うまえに目のほこりを払わねばならない』というのがあります。確かに、ずっと狩猟・採集・移住、原始時代のような生活をいかないので続けるわけにはいかないので、技術の発展はわたしたち人間の生活には欠かせません。技術をどのように発展させればいいのかを研究・学ぶのはとっても大切なことです。しかし、そればかりを考えていてはいけないと思います。わたしたちが、このように発展してこれたのは自然のおかげ、といってもおかしくありません。現代社会はそのことを忘れているような気がします。だから、わたしたちは自然に対してもっと謙虚になるべきだと思います。

   講評   siro

<評価>
 非常によくまとまった作文です。自分の意見に対する二つの理由は論理的に分かり易く書かれていますね。一つ目の理由では、彩果さん自身の体験をもとに書いてくれました。実際にヴィオラを弾いている中で、人間が作り出す音の限界を感じたのですね。自然の音にたとえたところで決してその音を出すことはできない。それは、自然が奏でる音の周波数が相当なものであることの証明になりますね。人間は便利な耳を持つ生き物で、その周波数の中から自分たちが心地よいと感じる部分を選ぶことができます。私たちが心地よいと感じる音は自然の中のごく一部であることも、忘れずにいたいものです。最終段落は名言を用いてまとめることができました。「確かにAだが、Bである。(主張はB)」という書き方もよくできています。自然に対する謙虚さを取り戻したとき、現代社会に内面的発展が加えられることでしょう。

 森リンの点数も80点台後半とかなりの高得点をマークすることができました。すばらしいですね^^。

△全体を常体(「〜だ」「〜である」)で書いてみましょう。自分の主張がより明確になります。
▲ 三点リーダーは「……」と書きましょう。
▲ 最後から6、7行目 「いかないので」は省略しましょう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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