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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   感じ方   ケイちゃん

 本を読むと言うのは、そこにあるものをこちらに運ぶような機械的な作業ではない。場合によっては、作者の意図をもこえて我々の内に何かを作り上げて行くことなのだと思う。幼い日に読んで血をかわした本が、後年読み返してみると、思いの外につまらなかったりすることは、間々あるものだ。けれども、砂時計を手に取りひっくり返すように、ある時からは、また新しい砂が積もりだすものです。
 ぼくは、この長文の作者とはちがって、字が読めなかった頃は、自分で、「何が書いてあるのだろう」と思いながらめくる事はなかった。つまり、「もどかしい興奮」をおぼえたことはなかった。なぜかというと、読めないものは、最初から母親や、祖父・祖母などに読んでもらっていた。ぼくは、幼稚園の年長になってから、母に、
「もうそろそろ『字』覚えたら?そうすれば、一人で本が読めるよ。」
と言われていたが、覚えようとしなかったらしい。ぼくは、他の人に読んでもらう事しか考えてなかった。『母がダメな時は、祖父の所に行って、祖父もダメなときは、兄の所へ行く』というふうにきめていたらしい。
 ぼくは、このまえ、友達と話していたら、いつの間にか、映画の話になって、
「『スパイダーマン2』絶対見に行きたいよね。」
と言ったら、友達は、
「スパイダーマンってクモだろ〜気持ち悪いし、あんまり興味がない。」
といっていた。ぼくは、スパイダーマンと言えば、人間の主人公が、クモの力を手に入れて、敵を倒していく映画だと知っていたので、
「やっぱり、人によって感じ方がちがうのだな」
と思った。
読書とは、人間にとって、楽しむための物だけではなく、字が読めないときには、もどかしい興奮をおぼえさせてくれるもので、文章の読解力を備えさせてくれるものだと思う。つまり、色々なものを与えてくれるといいたい。
 ぼくは、読書のおかげで、国語の成績が上がってきた。

   講評   mako

 字が読めなかったころのことを思い出すのはちょっとたいへんね。ケイちゃんは「どんなことが書いてあるんだろう。」とふしぎに思う間もなく、いつもだれかが読み聞かせてくれていたのね。それでもたぶん、ことばの意味などわからないことをいろいろイメージして考えていたんじゃないのかなあ。カン違いしていたことや大きくなって自分で読んでみたら、どこか思っていた話と違う感じがしたなんてことはありませんか?
 ケイちゃんのスパイダーマンの話のように、人は同じ体験をしてもそれぞれ感じることは違います。ふしぎね。それがおもしろいところなのかもしれません。みんなが同じ意見で同じ感想を持っていたら、もしかしたらけんかのない平和な世の中になるのかもしれないけれど、少しも発展や進歩がなくてつまらないのではないかと思います。他の人の意見や感想には、賛成できない部分もあるに違いないけれど、思いがけない新鮮な発見を与えてくれるものもあるからです。
 読書は、そういった自分の知らない世界を体験させてくれる、すばらしいものの一つだと思います。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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