小１から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。 志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で４０年の実績。 ▶ 個別指導のオンライン作文

昨日3224 今日4109 合計59669□

　　　『先入観』　　　えうや

　同じ名前や、同じ種類の花でもよく見ると、一つ一つ違うことがある。花の絵を描き始めるときに、いくら見慣れた花でも先入観をもって描き始めると、本当の姿の花が描けない。人間でも、「あいつは、ああいうやつなんだ」と思って前に一回会ったときの記憶などで決めつけてしまうことが多い。花でも一日できれいになったり、しぼんだりするのに心を持っている人間を、一回見た時だけの記憶で性格を決めつけるのは間違っていると思う。
　僕は、このような体験をしたことがある。去年、学校の行事で粘土作りがあった。課題は、『花瓶』。もとが花瓶であればどんな形でも良い。僕は、火山の形にしようと思った。僕のイメージでは、火山は三角で上から溶岩が流れている。しかし、三角にして溶岩が流れている模様をつけても、少しも火山には見えないし、迫力もない。つまり、僕の思っている火山はにせもので、本当の火山は、もっと迫力のある物なのだ。本当の火山の形を作るために、図書室に行って調べた。図書室のある昔の動物の図鑑で爆発した火山を見つけた。その火山は、流れている溶岩から泡が出ていてその泡が破裂していたり、溶岩の吹き出る穴からまるで蛙が飛び跳ねているように溶岩が上へ噴き出していた。そのように作ったら、自分なりに上手にできた。
　もう一つ同じような体験をしたことがある。六年生の始業式の日、初めて同じクラスになった子の事を僕は無口だと思っていた。しかし、あることから話してみると意外とおしゃべりだったということもある。
　ことわざで、「大木は風に折られる」というように、「あいつは、ああいうやつなんだ」と勝手に先入観を持っていたら、折れるはずがない大木が折れてしまうように、自分の思っていた性格と違うときもある。僕の経験から、自分の思い込みでものごとを決めつけると、手間や時間をかけることもある。そのため、勝手に決めつける性格の人は、直したほうがいいと思う（笑）。
　「ねーねー、あいつってさ、全然スポーツやらないよね。」
　「・・・サッカーしよ!!!」

　　　講評　　　tama

　

　夏休みも残り少なくなってきましたが、元気に過ごしていますか？
　
　この前はお話できず、残念でした。今回は、教室に電話して書いてくれたのかな？　字数も８００字以上と、かなりの力作になりましたね。

＜構成＞　要約は、簡潔（かんけつ）にまとめることができました。健くんの要約だけで、文章の内容が全部わかるほどです。すごく上手なので、感心しました。
＜題材＞　第二段落に、粘土の花瓶作りの体験が書けました。火山の形にしようという発想も素晴らしいですね。私には絶対に思いつきません（笑）。頭の中で描いている火山のイメージと、実際に噴火している写真を見るのとでは、やはり迫力が違ったのですね。課題の文章と、よく似た体験を思い出すことができたね。
　第三段落の似た話、先生にも経験があります。逆に、私自身が他人から「本来の私」でない姿を想像されていたりして…びっくりされたこともあります（笑）。後で聞かされると、これもまた楽しかったりするんですよね。
＜表現＞　「まるで蛙が飛び跳ねているよう」と、噴火の様子をたとえてくれました。これも本当に「うまいなぁ〜」と感心しました（拍手）。蛙も火山も、自然の「生き物」なんだと、改めて感じることができました。
　「大木は風に折られる」ということわざの引用も上手にできましたね。
＜主題＞　自分の経験を通して、思い込みでものごとを決めつけるのはよくないとわかったのですね。人には「性格」がありますが、この「性格」も、そのときの気分や体調に左右されることも、たくさんあると思います。何でも思い込みだけで判断することは避けたいですね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　
　先週はお休みをいただいていて、家を空けていたので、講評を送るのが遅くなってしまってすみませんでした。（帰ってきてパソコンを開いて、健くんの作文を真っ先に読ませてもらいました。）



　8.3週分の宿題も、できたら送ってね。楽しみにしています。