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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   食生活   ほり内

 私たち日本人から、欧米人を見てまず最初に何にあこがれるかというと、肉をしばしば食べるという食生活であろう。私もうらやましがる人の一人だ。(体験)(笑)しかし、肉を食べるという欧米人の食文化は、欧米の気候風土ならではの苦労があったのである。それはなぜかというと、欧米の寒冷乾燥の気候風土により、主食である麦があまり収穫できなかった点にある。麦は、実は植えた種籾の3〜4倍しか収穫量が得られないのである。しかも麦は普通の畑で栽培するため、一度栽培したら、土の栄養分がなくなってしまう。なので、その対策として、畑を3つ用意して、一年前に麦を栽培していた畑は牛などの家畜を放牧しその排泄物などで、栄養分などを溜め込み、あまったもう一つの畑は放っておく。このような畑のローテーションで、麦を毎年生産してきたのである。それで、家畜として飼育してきた、牛などを生き残るために食べていた。このような背景があって、肉をしばしば食べていたのである。それに比べ、日本は、主食として水田で、米を栽培していた。江戸時代当時、米は種籾の30〜40倍もの収穫量を誇り、しかも、水田なので、水をかえれば栄養分の補給ができるので、毎年同じ畑で、栽培が可能なのである。日本人が明治時代に、欧米人に対して肉をしばしば食べていることに憧れを抱いていたと同時に、欧米人は、米をしばしば食べられることに憧れを抱いていたかもしれない。
 それらのことを踏まえて、私は日本人が、一方的に欧米人にあこがれてきたという現状により、現代も、欧州優先の外交政策や、企業戦略が行われていることが問題だ。
 その原因は、日本人自身が欧米人に対して、開国直後から憧れを持っていたからではないかと思う。日本は、欧米の食文化から、開放的な風潮、独特の文化にあこがれていた。しかし、あこがれてきたことによって、自国自身のことに注目することが少なくなり、日本を欧米に似た国を作ろうと明治維新の活躍者達は考えたのである。もし、日本が欧米諸国に関してあまり憧れを抱かなかったら、日本は欧米をあまり意識せずに、マイペースで国を運営していたのではないかと思う。
 また、日本人が欧米人の文化の背景を知っていないからだと思う。欧米人の独特の食生活には前に書いたような、生活するために仕方なく、家畜を食料にしていったということを知っている人はおそらくいないと思う。欧米人の文化の背景をしっかりと知ることにより、もっと日本という国の良さを知ることができたのではないか。
 確かに、欧米の文化はすばらしいが、日本の文化を知ることを疎かにすると、ますます、欧米の主導のもと世界が動くことになる。

   講評   unagi

 今週は進級テストでした。お疲れ様です。

 <第1段落>欧米と日本の食生活の違いとその背景について、コンパクトにまとめています。数値が入っているので、「私もうらやましがる人の一人だ。」というユーモア表現・体験実例も含んでいます。
 <第2段落>問題提起「欧州優先の外交政策・企業戦略」。「私は」で始まっているので、「・・・と考える。」などの述部を用意したほうがいいでしょう。問題の着眼点は的確です。
 <第3段落>前段落の原因①:「欧米諸国への憧れ」。「欧米コンプレックス」という言葉を耳にすることが少なくないので、ありうると思います。

 <第4段落>原因②:「欧米人文化への無知」。「欧米人の文化の・・・のではないか。」しっかりした意見が書けていますね。他を知ることで己を知る、ということですね。
 <第5段落>反対意見への理解に続き、自分の意見で文章を締めくくっています。よくできました。

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