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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   『イギリス犬』と『日本犬』   えうや

 「ワン!!ワン!!ワン!!ワン!!」
イギリス人は、犬を躾ることが上手である。それに比べて日本人は、ほとんどの犬の行儀が悪い。このような違いは、いったい何が原因なのか。それは、人間と動物のお互いの位置づけが、イギリス人と日本人ではまったく異なることから出発していると思う。日本人にとって犬はそれ自体自由な自立的な存在なのである。しかし、イギリス人は家畜とは人間が完全に支配すべき、それ自身は自立性を持たない存在と考えている。日本の南極観測隊が、氷に閉じ込められてヘリコプターでやっと脱出した時、連れていった樺太犬を置き去りにしてきたことがあった。隊員たちは、ただ可愛がっていた犬たちを殺すにしのびなかったのである。翌年観測隊が再び昭和基地を訪れたとき、二頭が生存していたのだ。人間本意、人間中心の家畜の始末法とは違い、ここでは日本人の動物処理法の方が勝ったのである。
 僕の家の周りは、犬を飼っている家ばかりだ。そのため、夜歩いていて足音を立てるとすぐに、「ワン、ワン!!」と無用にほえる。一匹ほえたらもう一匹、さらにもう一匹と段々うるさくなっていく・・・という体験がある。散歩中のおじさんが、おじさんより大きい犬を連れていて、まるで大きい犬に散歩させられているかのように見えたこともある(笑)。家の近くに喫茶店がありその隣に空き地があって、そこに野良犬の家族がいる。そこは通学路で、誰も飼い主がいないし、かわいい子犬が五、六匹いる。勝手に触っても怒られない。そのためこの空き地は、小学生や、中学生の女子たちの観光名所になっている(笑)。
 近所中で一番凶暴と噂されているメス犬その名も『ガブ』。噛んだりはしないが、人を追いかけ回してほえまくる。去年、ガブが家から脱走して僕の家の前の公園に逃げ込んだ。その時に、たまたま僕と妹で近所の仲の良い姉弟と外で遊んでいた。妹が、ガブに気付いて大声で叫んだ。そこから始まった。ガブが僕たちを追いかけ始めた。家の前はロータリーになっている。僕たちは、そのロータリーを三周くらい走って、友達の家へ駆け込んだ。それで終れば良かった。しかし、妹だけ締め出してしまった!!窓から見ていたら、妹が一人だけ公園の隅に追いつめられていた。しかし、妹が泣きながら犬に突進した。犬は驚いて妹を見逃してしまった。妹は、そのままダッシュで家まで駆け込んできた・・・。
 僕は、犬は可愛いがむやみに近づくと危ないし、行儀の良い方がもっと可愛く思えると思う。しかし、行儀が良すぎてそこに居るだけというのも可愛くない。どうせ犬を飼うなら、少しはじゃれてきた方がいいと思う。一番良いのは、犬が幸せでいるということが分かった。

   講評   tama

健くん、こんにちは。今回は1000字を超える大作となりましたね。



<構成> 要約だけで、文章全体が分かります。頑張ったね! ただ、少し長くなってしまったので、もう少し短く(200字をめやすに)まとめられるといいね。
 書き出しの犬の声は、要約の後の第二段落に入れた方がいいかもしれないよ。

<題材> いつもながら、面白い実例が書けました。「ガブ」という、すごい名前をつけられた犬(笑)の話は、状況説明が上手なので、かなり笑えました。(いえいえ、笑っちゃいけないね。妹さん、ごめんなさい。)
 実例の後に、思ったことを一つ書くと、最後の「分かったこと」につながりやすくなると思うよ! (^^)

<表現> 「まるで大きい犬に散歩させられているかのよう」というたとえですが…。いるいる、こんな人(笑)。これは完全に犬が飼い主を支配していると思い込んでいるパターンだと思います。イギリスの人が見たらびっくりするかも…!?

<主題> よくしつけられた犬は、本当にかわいく思えますね。健くんは、「犬が幸せでいられるのがいちばん良い」と思ったのですね。健くんの優しさが伝わってきます。犬は飼い主を選べないので、どうせ飼うなら、かわいがってあげなくてはいけないよね。

 題名が「イギリス犬」と「日本犬」なので、イギリスではどうか、ということが一つ書けると、もっと面白い作文になるね。
 


 盲導犬や、聴導犬、警察犬など、仕事を持った犬は、余計なところでほえたり、主人より自分が前に出るということはありません。これらの犬はよく訓練されているので、自分の立場をわきまえているのです。
 一方、ほえない「おとなしい犬」でも、飼い主に虐待(ぎゃくたい)されておとなしくしている(せざるを得ない)犬も知っています。人間に従うといっても、飼い主のために働くのと、飼い主の感情のはけ口にされるのとでは大違いです。
 犬は飼い主を選べないのだから、どうせ飼うならかわいがってあげたいよね。

                         

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