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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   箒と塵   たば星人

 先日の新聞で、浅間山噴火で灰をかぶったキャベツのセールの記事を読んだ。高島屋が、浅間山噴火で被害を受けたキャベツ農家を支援しようとセールを行ったそうだ。噴火の次の日のニュースで農家の人が
「売り物にはならないね」
と言っていたのを聞いていたので、少し驚いた。いつもの半額ではあっても、ちゃんと売れて、しかも事前の宣伝もないのに400個が2時間で完売した。最近、自然災害が多いせいかこういった好感の持てるニュースが多いと感じる。新潟の洪水の時のボランティアもそれに当たるだろう。そんな、ニュースを聞いているうちにふとこう思った。自分は何かしただろうか。残念ながら、私は何もしていなかった。「大変だなー」とは思ったけど、「何かしよう」という気はいっさい起きなかった。皆さんはどうだっただろうか。ボランティアが何かをしているニュースを見て自分は何ができるか考えたでしょうか。おそらく多くの人は何も考えなかったのではないかと思う。ニュースには、ボランティアの人々がよく出てくるが、実際の所ほとんどの日本人には「自分には関係ない」と言う意識が働いていると感じる。
 どうして、そう思ってしまうのだろうか。一つ目の要因は日本人にある。ほとんどの日本人はあきらめているのだと思う。自分が何かしてもほとんど何も変わらないと思っている。だから、何かをするという意識がない。ボランティアの人が額についた汗をぬぐいながらこんなことを言っていた。
「少しでもお役に立てればと思ってきました。」
一人の人間は、少ししか役にたたないかもしれない。でも、たくさんの人が何かをしようとすれば、できることは増えると思う。少し募金をしてみる。電気をこまめに消すように心がける。エアコンの設定温度を上げる。直接その地域に行かなくても、やれることはいくらでもあると思う。やろうとする気持ちが大切なのだ。
 しかし、気持ちだけで被害にあった人は助からない。やはり人が助けに行くことは必要だ。そんなとき人を動かすのが新聞やテレビなどのメディアなのではないだろうか。そこに、二つ目の要因がある。洪水の例では、奉仕の人々が多くいっていることを伝え、人々を良い気分にさせた。しかし、実際の所その人数で人手は足りているのか。そういったところは、多くのメディアでは報道されなかったように思う。メディアにそういうところに力を注いでほしい。オイルショックの時、人々はトイレットペーパーを買うために並んだ。ただのうわさ話が多くの人を動かした。情報には人を動かす力がる。そういった力で、人を動かし、助けるのもメディアの務めだと考える。
 確かに、自分が何かをしても、ほとんど何も変わらないかもしれない。しかし、何もしなかったら何も変わらない。確かに、「何かしてくれ」と言わなくても動く人はいるかもしれない。でもそれはごく一部です。人と情報は塵と箒の関係だとおもった。人々はそれぞれが何かやろうと思えば塵とになって、それを集めるのが箒としての情報です。塵も積もれば山となる。その山が、世界を変える。それを、日本人は学ぶだと思う。そして私もその塵の一人になりたいと思う。

   講評   kamono

 すばらしい文章になりました。<自分は何かしただろうか。残念ながら、私は何もしていなかった。「大変だなー」とは思ったけど、「何かしよう」という気はいっさい起きなかった。皆さんはどうだっただろ>。これが書けて、筆者の肉声が、文章に躍動するようになりました。このあたりが、文章にとって、もっとも大切なところですね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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