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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   グッドな言葉見つけたっ   ナッチ

 私たちが日常、ことばを使っているときは、普通表される内容がまずあって、それを盛って運ぶ手段としてことばがあるというふうに考えています。私たちの関心はもっぱらこの内容のほうにあるわけで、それを運ぶ仲介役としてのことばが入っていても、ことばそのものにはあまり注意を払いません。ところが、「かっぱ」のような詩を読みますと、俄然ことばが、私たちの前にふさがって、それに私たちが頭をぶつけている——そんな印象を持つのではないかと思います。
「かっぱ」の詩(谷川俊太郎作)
 かっぱかっぱらった/かっぱらっぱかっぱらった/とってちってた/かっぱなっぱかった/かっぱなっぱいっぱかった/かってきってくった
使われている単語はそんなに多くも難しくもありません。「かっぱ」が出て、それから「かっぱらった」が出てきます。たとえばこの「かっぱ」と「かっぱらった」ということばは、日常のことばとして考えている場合は、私たちはこの両方がよく似た形をしたことばであるという意識を持つようなことはないでしょう。「かっぱ」というのはいたずら好きな生物だから、「かっぱらう」という行為も、何かもともと「かっぱ」のするようなことをいうのではなかったのか。
「詩人」と呼ばれるような人たちは、日常的な経験を超える経験をもつでしょう。そして、それを表そうとすると、もはや日常のことばの使い方では不十分なはずです。そこで、どうしても、日常のことばの枠を超えるということが必要になってくるのです。(要約)
 私はいい言葉を見つけるのと、見つけないのでは人生大違いだと思う。(構成)いい言葉を見つければ、その言葉が出てきたとき「あ!あの言葉いいよなぁ」と快感する。
 「新た…な?」
私が小二のとき、先生が「新たな」という言葉を発した。私は「新」という言葉を知らなかったので、
「おぃなんじゃいそりゃー。」(笑)
という感じで、相当理解できなかった。ほかにも理解できなかった人もいて、
「先生〜!“新たな”って何でスか〜?」
と早速質問した。先生は
「…“新しい”の進化版。」
といった。
「おー先生さすがー!」
「うぁー。お前ら未熟だな…。」
「なーっ。」
とミニ口げんかになりかけたが、みんなが止めたんだか止めてないんだがで収まった。(笑)でも私はそんな事どうでも良かった。
「ス…スゲー…そんな言葉あったんだぁ!」
と、かなり感激していた。それから私のクラスでは「新たな」がはやりまくった
「これは新たで新しい新事実です。」
「いや、これは新しい新たな新事実です。」
「いやいや、これは新潟の新しい新たな新事実です。」
「…負けましたぁ。(怒)」
と変なゲームがはやったのかはやってないのか…。である。
 確かに、言葉を見つけるのに熱中し続けるのもどうだか…と思うが、やはり“お気に入り”の言葉を見つけるのはいいと思う。「寒さにふるえた者はほど、太陽の暖かさを感じる」という名言がある、やはり「言葉」を味わった人ほど次の「言葉」を体感できるのである。

   講評   nara

 かっぱかっぱらった……と大きな声で読んでいると、何だか楽しくなってくるよ。本来は、関係のない「かっぱ」と「かっぱらった(かっぱらう)」が結びついたことで、カッパがラッパをシャシャーッとかっぱらっていく様子が、ありありと目に浮かぶ。これは、音の重なりから意味の重なりへと解釈をつなげていく、日本に古くからある技法だね。古文でいえば掛詞、言葉の森でいえば【表現:ダジャレ】というところかな。
 「新たな」という言葉を知った小学生たちの盛り上がりが楽しい。自分の中に存在しなかった言葉の回路に、新たな(!)ルートができて、そこを通ることの楽しさを実感しているようなイメージだね。「新たな古い本」とか言ったりしそうだ。これはこれで、日本語としては成立するわけだからおもしろい。
 この体験実例は、「つまり、……だからだ。」という理由を示す文に置き換えるとしたらどうなるかな。その文をぜひ組み込もう。例えば、「言葉を使う楽しさや喜びを実感できるからだ。」という感じかな。今期の構成の課題は「複数の理由の提示」だから、もう一つ、理由を見つけ出せるとなおいい。
 まとめはいいね。「やはり」以降はなるほどと思ったよ。言葉をたくさん知って味わえば、新たな(!)組み合わせが見つかる。そして、その組み合わせのパターンもどんどん増える。言葉の世界が広がり深まっていくのだね。

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