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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   僕の大切なもの   えゆの

 僕には、古いけれど大切にしているものがある。それは、ウルトラマンの人形たちだ。
日本にいたころから、ずっと集めているウルトラマンは、初期のころから最近のものまで、今では、55個ある。怪獣も15個。ゴジラや、ギャオス・ガメラといった古い怪獣もある。
誕生日のたび、お正月のたびにプレゼントしてもらったし、クリスマスプレゼントもみんなウルトラマンと、その海獣たちだ。ぼくはいまでも、その時々の事を覚えている。あるときは、おばあちゃんからの宅急便の中から。あるときは、クリスマスツリーの木の下に。見つけたときの小さな僕もそのままに。大切な、大切なウルトラマンだ。
友達と一緒に砂場にも持っていって遊んだ。僕が5歳のころのことだ。
アメリカに行く時、『もう、これはできないだろうな・・。』と思ってさびしかった。
ところが、アメリカでできた友達はガメラの大ファンだったのだ。サンフランシスコでも、ウルトラマンと遊んでくれる友達ができた。Reed Barnelという名前の子だった。
Reedは、英語のできない僕を何回も家に誘ってはガメラの日本語のビデオを見せてくれた。おかげで僕はすんなりと学校に慣れることもできた。3体持っているゴジラのひとつはアメリカゴジラで、僕の誕生日にReedがプレゼントしてくれたものだ。
 中学生になってもまだ、ウルトラマンだなんて笑われるかもしれないが、これらのウルトラマンを捨てたら思い出を捨てるような気がするから、まだ、クローゼットにおいてある。今日、久しぶりに出してきたら、まるでぼくは、まだ、幼稚園の子供のままの様な気がした。一つ一つのTVの戦いの場面まで思い出していた。
 母に捨てられないものを聞いたら、『サンフランシスコの警察官からもらったバッジと、その当時友達だった、かおる君という日本人の友達がお別れにくれたメッセージ入りの折り紙のしゅり剣。』と答えてくれた。その当時、ぼくは、警察官になるのが将来の夢だった。僕が小さかったから、忘れてしまうんじゃないかと思って大事にとってくれていたものだ。引越しのたびに、捨ててもいいようなものが見つかる。見つからなかったら、捨ててもよかったのに、見つけてしまったら、捨てられなくなる。どうしてなのだろうか?
 これらの思い出のものは、なぜ、大事なのだろうか?じつは、そのものは大事ではない。そのものに、詰まった思い出が大事なのである。思い出としてわすれてしまっても、その物を捨ててしまったら、物を通して思い出すかもしれない思い出も、きっかけを無くしたとたんに、思い出すことすら無くしてしまうからだ。
僕は、きっと、引っ越してもウルトラマンたちを捨てないだろう。じぶんが感動した時の感情がこもっているからだ。僕が大人になったら、子供たちに僕の子供のころのことを話して聞かせるだろう。でも、あげない。彼らは捨ててしまうかも知れないから。

   講評   kira


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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