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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   心と体の思い出   青ちゃん

記憶を身体から切り離すことが出来るか。私は出来ないと思う。なぜなら何か過去に体験したことを思い出として思い出すとき、私達はその時自分の五感で感じた刺激を、それと似たような刺激をもう一度受けることで思い出すことがしばしばあるからだ。「お袋の味」という言葉があるように、懐かしい過去の味が、ふと蘇ることがある。あるいは一度きりの体験でも身体がその時のにおいを、光を、音を覚えているからこそ思い出が鮮明に蘇るのだ。また、想起的記憶は個人的なものにとどまらず、社会的、集団的性格をもっているのではないか。これに対しては持っていると思う。その理由は、個人の中に残る記憶はどうしても偏ったものであり、次第に変形し薄れていくものだからだ。個々の記憶を集団として寄せ集めることで、このようなこともあった、あのようなこともあったと記憶がより鮮明になる。
 人々の記憶として残る記憶の例には戦争が挙げられる。確かに身体的にも精神的にも個人の負った痛みは異なる。しかし、個人でその記憶を持っているだけでは、いつしか社会から消えてしまう。同時に体験した多数の個人の記憶を束ねることで、それは後世まで残る歴史となる。心的な事柄だけでなく、物理的な証拠を残す記念館や、建物もまた、人々の中にその記憶を個々のものとしてではなく、戦争がいかに悲惨なものであったかという共通の記憶を残す要素になる。そしてこの共通の記憶こそ、個人の記憶とは比べ物にならないほど強力で、持続力のある教訓としてその社会に留まり、戦争への戒めとなる。
 私たち自身が機械に依らず記憶することの意義は、体験を心と身体に刻むことで、それが良いものならばこれからに生かし、悪いものならば繰り返さぬようにと、未来の生き方のヒントに出来ることだと思う。

   講評   huzi

 電話で話したあとすぐ、答案を作成しましたね。字数制限は【800字以内】でしたが、早かったなあ。

おおまかな内容はまずこれでいいでしょう。最初に、傍線部に問われている二つの事象についてYESかNOの答えを書き、その理由及び設問の「文化的・社会的事例と結びつけ」た説明。結びに今後の展望。基本的な構成はこれで十分です。
  あとは、各内容のバランス。YES、NOを述べた部分と実例による説明の部分をどのようにわけるか。意見が伝わりやすくする方法を考えてみましょう。

 ・記憶を身体から切り離すことが出来るか。私は出来ないと思う。なぜなら何か過去に体験したことを……(略)……しばしばあるからだ。【例えば】お袋の味というものがある……(略)……鮮明によみがえるのだ。【ここで段落わけ】
 また、想起的記憶は個人的なものにとどまらず、社会的、集団的性格をもっているのではないか。【これに対しては持っていると思う。←削除。意味が重複しています】段落を分けずに続けて、
【人々の記憶として残る記憶の例には戦争が挙げられる。】

【代表的な記憶の例として戦争を挙げてみよう。】……(略)、戦争への戒めとなる。【段落わけ】
 私たちが機械に依らず記憶することの意義は、【体験を心と体に刻むことで←削除。全体のまとめなのでここで意味を限定しない】それがよいものなら……(後略)。

内容はほとんど変えていませんが、多少交通整理をすることで意見が伝わりやすくなります。本番は手書きかな? もし、そうなら段落構成メモは必須ですね。

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