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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然との調和   はなこ

 鯨や象が高度な「知性」を持っていることは、たぶん間違いない事実だ。鯨や象の持つ「知性」は、いわば「受容性」の知性とでも呼べるものだ。彼らは、自然をコントロールしようなどとは一切思わず、その代わり、この自然の持つ無限に多様で複雑な営みを、できるだけ繊細に理解し、それに適応して生きるために、その高度な「知性」を使っている。だからこそ彼らは、我々人類よりはるか以前から、あの大きなからだでこの地球に生きながらえてきたのだ。私たちは、もっとゾウやイルカの知性に学ぶべきだと思う。
 そのための第一の方法は、私たちの知性を攻撃のためではなく調和のために使うということだ。サッカーの試合などでも、相手の弱点ばかりさがしていると、疲れてしまうし、自分たちらしさをだすことは出来ない。仲間との調和を深めていけば、どんな相手にも対応することができる。それに、自分たちがうまくプレーすることが出来ないと、相手の弱点がわかっても、そこをつくことが出来ない。
 第二の方法は、人類がゾウやイルカの知性をもって生きていた時代を再評価することだ。今でも、ジャングルなどにいる少数民族は、その日の、獲物の少しを、自然に返すというようなことを行っていると思う。自然を利用するだけで、破壊はしていない。これは、現代人とは対極にある考え方だが、とても大切なことだと思う。
 確かに、現代人のような、攻撃的な知性は、科学や経済を著しく発展させた。しかし、このまま突き進んでいくと、全ての面でメチャクチャになってしまう可能性がある。そのために自然と調和しながらの生きかたに切り替えていく必要があると思う。発展とは、自分のことだけを考えてするのではなく、他のいろいろなものとの関係を考えながらするものである。

   講評   nara

 受容を訓読みすれば「受け容れる」ということだ。人間が、なかなか「受け容れる」ことができないのは、容れるための器がない(もしくは小さい)からかもしれないね。頭は大きくても、その頭脳の大きさは受け容れるための器の大きさとは、イコールではないということか。器が小さいから「こっちに来るなよ」という攻撃性を帯びるのかな。
 第1の方法は、意見はいいけれど、使った具体例をもう一工夫できるといい。スポーツは、勝ち負けや順位を決めることが多いでしょ。もちろん、レクリエーションとして楽しむこともあるけれどね。こと、「サッカーの試合」ということになると、「調和」という言葉とは距離感があるのではないだろうか。異なる国・民族との調和というような、本来戦うことが前提とならなくてよいものを具体例として用いると、もっとわかりやすくなると思うよ。
 第2の方法はおもしろいね。現代は、人間的な知性つまり攻撃の知性をベースにおいて成り立った時代・社会であると考えると、その対極にあるものに学ぶことは、確かに有効な方法と言えそうだね。ジャングルだけでなく、今の日本でも、農村・山奥では柿の実をすべて人間のために収穫するのではなく、鳥たちのために敢えて木に残すということをやっているよ。そういう行為・風景に心和むのは、そういうあり方をどこかで求めているからだと言えるかもね。
 まとめの段落には、「なぜ生き方を切り替える必要があるのか」の理由をそえておくとなおよかったかな。今の構成は、理由よりも複数の方法が中心になっているから、理由部分を補足しておくと、読後の納得度も高くなると思うよ。
 そろそろ、テストの準備期間かな。10月分を取り戻す勢いで、11月の課題に取り組めたね。たいへんだったでしょ。

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