対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日2569 今日1039 合計3652
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   価値   はるる

 私たちはお金がなければ生活ができない。食べることにも着ることにも、住むことにもお金は重要な役割を持っている。そしてそのお金の量が多ければ多いほどに、私たちの生活は物質的に豊かになる。しかしながら、物質的な欲求を満たす一方、私たちはいつのまにか精神的な幸福を軽んずるようになってしまってはいないだろうか。何もかも経済的価値観で判断する現代社会は問題である。
 その原因として、戦後とにかく欧米に追いつこうとした日本の体勢が挙げられる。戦後、ほとんど零からのスタートで日本人はとにかく今まで全力疾走してきた。長い時間働けば働くほど目に見えて周囲は変化していき、気付きもしないうちに古くから存在した倫理観は捨て去られ、それにかわった経済的価値観が日本人を支配していた。現在では何のために自分は働いているのか、見失ってしまった人も少なくない。
 確かにお金は人間が生きていく上で欠かせないものである。けれどもカネによって立つ者はカネによって滅ぶ(ことわざ)というようなことがあってはならない。大切なのは、いかにしてカネを集めるのではなく、それをどのような道に使うかであるし、良いカネの使い道は必ずしも経済的価値が高いものとはいえない。だが、現在の私たちにその経済的価値を越えたものが必要なのは明白である。

   講評   sugi

 「豊かな生活」と言えば、金銭的に恵まれていて、欲しいものは何でも買えるような生活を思い浮かべる人が多いと思われるけれど、それは「本当の豊かさ」とはいえない……。今学期は「本当の豊かさ」について考えさせられる話が多いね。
 はるるさんの考えた原因、興味深い話です。戦後の貧しい時代は、ものの豊かさが豊かさのすべてだったので、それを獲得してしまった現代は、生き方がむずかしい時代なのかもしれないね。そう考えると、人間とは複雑な生き物だね。
 この長文をよく読んでみると、さらに現代の日本の問題点が見つかりそう。経済価値に貢献しないような仕事は、日本では認められないことが多いというけれど、福祉活動、災害時のボランティア、地域社会の運営など、経済価値に貢献しない仕事によって支えられているものは非常に多いのです。そんな題材を結びの段落に入れてみてもよさそうだね。
 ことわざ、自作名言はよくがんばっているね。この調子で!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)