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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉と経験   タクミコ

私たちは、「手を上げよう」と思えば手が上げられる。それは実際に手を上げた経験があって、それと「手を上げる」という言葉とが結びついているからだ。「手を上げよう」と思うと、以前に手を上げたときの脳機能が無意識のうちにはたらくのだ。つまり、目標に向かって脳がひとりでにはたらくのを随意運動というのだ。それに対して、自己暗示とは例えば「失敗」ということばのために、以前以上に失敗するなどという現象だ。これは、「失敗」ということばをきっかけに、以前に失敗したときの脳の働きが進行して失敗するのだ。
確かに、言葉が行動にプラスの影響を与える面はある。スポーツ選手とそのコーチの間で交わされる会話がその例となる。コーチが色々なアドバイスを言うことは選手のプレーにプラスの影響を与えるのだ。そういう言葉の役割を生かしていくことが必要だ。私にもこんな経験がある。週一回のテニス・レッスンを受けていた時、私が打ったボールはほぼ全部ネットにかかった。なぜだろうと私が悩んでいるとコーチに、「後に引くのをもっと小さくして、前にボールを押し出すように」と注意された。その指示通りに打ってみたら、見事なボールを打つことができたのだ。ところで、ヘンゼルとグレーテルの話を知っているだろうか。その話の中でヘンゼルとグレーテルは森に捨てられてしまうが、二人は「大丈夫、大丈夫」とお互いを励まし合いながら森を進んでいき、お菓子の家へたどりついた。これはまさに言葉がプラスに働いた例である。
しかし、言葉が行動のブレーキになることもある。これは作者も話している「失敗する」という例がよく物語っている。私にも同じような経験がある。二学期に入ってから私達は体育の授業でハードルを始めた。初めのうちは積極的にどんどん飛び越えてタイムを伸ばしていったが、それは三週間目に止まった。その時、私は抜き足をハードルに三回もぶつけて膝が内出血し、腫れていた。それから急に私はハードルを飛び越えるのが怖くなってしまい、「とにかく脚をぶつけないように」と思ってしまい、どんどんタイムが落ちていった。この時に「あの週は脚をぶつけてタイムが落ちてしまったから今度はその分頑張ろう」と思っていれば結果は違っていただろう。
確かに言葉がプラスの方向にもマイナスの方向にも働く場合がある。しかし、最も大切なことは、言葉自体にあるのではなく、その言葉を実感できるような体験を蓄積していくことではないだろうか。そのためには、小さなところから成功体験談を積み重ねていくことが必要だ。「不幸な人は、どのような考えの中にも不幸の理由を見出す。」という名言があるように、言葉をプラスの面で考え、使用していくことによってそのマイナス面も自然になくなっていくはずである。

   講評   siro

 今週は進級試験でしたが、項目・字数ともにクリアすることができましたね。進級試験は見事合格ですよ。
 今回のテーマは「言葉は、行動にどのような影響を与えるか」ということでした。言葉がプラスに働く場合、マイナスに働く場合のそれぞれについて具体例が入れられました。ともにスポーツの話題にしたことで全体が上手くまとまりましたね。確かにスポーツにおいては言葉かけは必要ですよね。最近では、アテネオリンピックに出場した浜口京子選手のお父さんの「気合だーー! 」がその代表ではないかと思います(結局金メダルは取れませんでしたが)。しかし、言葉に振り回されてはいけません。匠子さんが最終段落で書いているように、「その言葉を実感できるような体験を蓄積していくこと」が大切なのですね。上手くまとめることができました。

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