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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   あなたは明日死んでも悔いはないだろうか   いうや

「俺お年玉7万円貰った。」
今年初めての部活動で、友達同士お互いのお年玉の合計金額を聞き合っていた。多い人は7万円から少ない人は2万円まで千差万別だった。確かにお金が多いことには素直に嬉しいしそれに越したことはない。しかしそれが本当の幸福に直結していると勘違いしている人はいないだろうか。「かねが人生のすべてではないが有れば便利 無いと不便です 便利のほうがいいなあ」これは相田みつをさんの作品だが、僕もこれに共感した。お金とはそれが有ることによって幸せになる可能性が開けていく、いわば打ち出の小槌のようなものだ。幸せの扉を開く物ではない。しかし時としてお金は虚しく、人に悪影響を及ぼす時がある。
確かにお金があると、物質的な豊かさを感じることができる。経済的に家系が豊かだと新しく便利な物が手には入り、また海外やテーマパーク、観光地などへ家族で出かけ一生の思い出を創ったり、貴重な体験をしたりすることができる。僕は以前、中国は日本に劣って豊かではないと思い込んでいた。実際に瀬戸市の国際交流で現地へ行ってみると、木や電柱が倒れていたり、コンクリートの道路に砂の山ができていたり、道路が穴だらけだったりと、とても驚いた。そして一番驚嘆したことは、観光名所になっている敷地内に平気で果物の皮などを捨てることだ。ところが僕のホームステイ先の家は、シャンデリア2つ付きの五階建てだったのだ。それに、ドライバーさんや家事のお手伝いの女中さんがいて僕にしてみればまるでお城に来てしまったかと思った(笑)。確かにそこの家は数多くの利点があり、住みやすく皆の憧れなのかもしれない。けれども家事や、身の回りのことをすべて女中の方にお願いしていては、子供の学びの場が剥奪され、立派な大人として自立しにくいだろう。金遣いも荒くなるだろう。将来も大豪邸で、またお手伝いさんを雇えば話は別だが、もし地震等の災害が起こって財産がなくなってしまったとき、立派な一人の人として、幸せに暮らせるのだろうか。お金は、時として姿を変える。
こころが満たされていれば人生が豊かだという意見もある。お金で買えない経験を積み、他人には真似できない自分だけの花を咲かせることはすばらしいことである。こころが充実していればその場の雰囲気も自ずと良くなり、人生が楽しくなる。したがってその中で、自分の趣味を見つけることはいいかもしれない。僕は今野球に熱中しているが、そこでいろいろなことを学んできた。仲間意識、厳しい練習、キャプテンとしての苦労・・・いろいろなハードルがあったが、そんな下積みの成果が出て優勝した時は言葉で表すことのできない達成感が芽生えるのである。一回戦から一番の優勝候補と当たり、思いがけないアクシデントが有り、決勝戦も延長戦後の特別ルールの末勝った。たった市内での優勝だが、部員全員が意気投合し、盛り上がった結果頑丈なチームワークを作り上げることができた。このときの僕の心は幸福で満ち溢れ、まるで昔話の「幸福の王子」の心にひけをとらないほどだったと思う。この思い出は、一生の財産だ。
確かに物質的に豊かなことも、こころが豊かなことも大切だ。しかし一番大切なことは、「ライオンは、一匹のウサギを倒すためにも、全力を尽くす」という諺のように、その一瞬一瞬を大切に、一生懸命に生きることではないだろうか。僕はこれから、明日死んでも悔いが残らないように、自分自身と地球に住むすべての生き物のために生きたい。

   講評   huzi

 將くん、あけましておめでとう。今年も斬新で楽しい意見をたくさん読めることを大いに期待しています。
 さて、今年一作目はまず題名に驚き。悔いはないかと突きつけられると、それはもう悔いだらけ(笑)。もう一つ驚いたのは、森リンの点数。100点! 1月10日の時点で全学年総合で1位です。
  意見の構成は前学期とほぼ同じやりかたなので、難しくはないでしょう。字数目標が【1200字】とハードルが高くなっていますが、これも問題なしでしょうね。將くんの豊富な体験を意見の中に生かせば楽にクリアできそう。おかげで私は、余裕をもって内容そのものを楽しむことができます。ありがとう(!)。
  お年玉7万円とは多いなあ。でも、2万円の人が豊かではないとも言えないですね。日本のように、日常生活の豊かさのレベルがある程度そろっている国では、「お年玉」の額は親の考え方次第で、豊かさの指標とはならないように思いませんか?
 一方、中国では、目に見えたところにお金をかけることが豊かさのあらわれのようですね。お手伝いさん、きらびやかなシャンデリア、五階建ての家。街中の道路が整備されていなくても、家はお城のよう……悪くはないですが、豊かさを社会全体の財産として考えられるようになるのは、もう少し先なのかな。今後中国でお金がどのように姿を変えるか。とても興味深いですね。
  二番目の【意見】として書いた、野球であじわった奇跡の体験。これはお金では買えない豊かさの最たるものですね。【昔話実例】は、ほんの一言の引用にとどまりましたが、今回は昔話のストーリーより幸福感に焦点があたっているのでこれでいいでしょう。
  【総合化】は、“一瞬”に賭けたね。人生のうちにどれだけ「これだ!」と思える瞬間を味わえるか。「これだ」は人それぞれですが、そういうチャンスが多い人ほど、豊かな人生を過ごしていると言えそうですね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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