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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ある日の帰り道   ガンダム

ある日の帰り道
                                 ガンダム

    「あ、お兄ちゃん。お待たせ。」
と、掃除当番の僕が、待ち合わせをしていた学校の前庭までかけつけた。
 お兄ちゃんは、僕が掃除当番の時でも、毎日学校の前庭で、掃除が終わるまで待っていてくれる。とても優しいお兄ちゃんである。
 しかし、今はあと数日で入試なので、僕なんか待たずに、さっさと帰ってしまう。だから、この話は、少しだけ過去の出来事だ。

 その日、ふと上を見上げると、空模様がとても怪しかった。今にも雨が降り出しそうだ。まぁ、そんな事は、気にしないでいいや。と、思い校門を出て行った。しかし、思った通り、校門からしばらく歩いたら、ポツポツと雨が降り出してきた。幸いまだ小雨だった。二人とも傘を持っていなかったが、学校に近かったので、傘を取りに戻ろうとした。学校には置き傘があるのである。しかし、お兄ちゃんは、僕の前に立ち、
 「面倒くさいから、取りに行かなくていいよ。」
と言い、僕が学校に傘を取りに行くのを止めたのだ。そして、強引に連れ去られた。しかしそれは、不正解であった。

 途中から、あたりは、ますます暗くなり、大つぶの雨が降り出した。矢のように突き刺す雨に、目のまわりが痛かった。突然の大雨に二人とも、まるで後ろから包丁を持ったヤマンバに追いかけられているかのように超特急で家まで走った。息が切れた頃、気がつくと、頭はずぶぬれ、身体は服を通して雨がしみ込み、冷たくて寒くて、とても気持ちが悪かった。家に入って鏡を見ると、まるで頭からバケツ一杯分の水をかぶったようにぐしゃぐしゃの僕たちが映っていた。その上、ランドセルのすき間から、雨が入ったらしく、中の教科書などもぬれていた。制服、教科書、ノートなどを乾かさなくてはいけないし、お母さんには叱られるし、さんざんな一日になってしまった。

 こんなに被害を受け、大変な思いをしたのだから、空模様が怪しい時は、最初から傘を持っておくんだなぁとつくづく思った。この経験以来、二度と同じ事はやっていない。帰りに、雨になりそうな時は、ちゃんと置き傘を持ってから、校門を出ている。

 今日は、晴天。学校の近くの公園には、もう梅の木に花が咲き始めている。そして、あともう少しで、お兄ちゃんの受験も終わる。また、楽しい会話をしながら、一緒に愉快に帰りたい。

 僕は、雲ひとつない青空を見上げた。まだ冬とは思えないほどの日差しである。常緑樹もキラキラ輝いている。その中を僕は一人で家に向かっている。

   講評   siro

 <構成> 動作と情景を組み合わせて、作文を結ぶことができました。季節の微妙な変化も見逃さないところは、悠吏くんの観察力の鋭さが伺えます。
 <題材> 入試目前だから仕方がないと思いつつ、またお兄ちゃんと一緒に帰りたいという思いを込めて「前の話」が書けましたね。会話の入れ方も上手ですよ。
 <表現> 「ヤマンバに追いかけられているかのように超特急で家まで走った」とは、よいたとえですね。そのときの心理状態までを表現することができています。
 <主題> 「最初から傘をもっていく」とは、確かにそうですね。朝の天気予報チェックは欠かせませんね。

 雨が降った日のことを、具体的に書いていくことができました。ところどころで、悠吏くんの、お兄ちゃんに対する思いが入っていたところがよいですね。心温まる作文です。


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