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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   意識をもち、視野を広げる   タクミコ

一つの言語を習得して身につけるということは、その言語圏の文化の価値体系を身につけ、何をどのように捉えるかに関して一つの枠組みを与えられるということである。我々は無意識のうちに日本人の感覚で、つまり日本の文化を通じて物事を見ている。私たちは日本語の表現を「自然」なものとして受け入れてしまい、言語が我々をある一つの視点に方向づけているのではないだろうか。我々はその事を意識する必要がある。謙虚で相手の気持ちを思ってあいまいな表現をするのもいいが、自分に自信を持ち、自分の意見をはっきりと主張できる生き方をしたい。
そのためには、第一に、失敗や批判を恐れないことだ。他人に批判されるから嫌われるからという様な理由で中途半端に終わるのではなく、「私は全力で頑張った」と言えるようにしたい。やはり背景の文化の影響はとても強いと私は感じる。日本ではあまり自分の主張をしない方が他人にも好かれ、良いとされているようだが、私が長年住んでいたアメリカではそのまったく反対である。成績表に「授業への参加・自己の主張」という項目があるように、自分の意思をはっきりと伝えることを奨励しているのが欧米社会だと思う。日本から初めてアメリカに行く子はとても控えめだが、アメリカ人の先生からは「なぜ授業に参加してくれないのだろう。自分の意見をはっきり言えない子だ。」言われる。どちらが良い・悪いはともかく、ここに文化の違いが明確に現れている。
また、もう一つには、積極的に海外の人と交流することによって日本文化の狭い枠にとらわれない考え方をみにつけることだ。伝記によれば、慶應大学の創設者である福沢諭吉は書物を通して外国の文化や視点に触れることができた結果学校の中での生徒の先生に対する形式ばったあいさつを省略するなどのことをしたそうだ。
確かに、それぞれの文化を大切にし、それらの個性を守ることは大事だ。しかし、それが無意識のうちに行われ、その文化での視点からしか物事をみることができなくなるのはあってはならないことである。「自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには自分が生きたとおりに考えるようになってしまう。」と言う言葉があるように、自分の言語の背景を大切にしながらも、日本的な視点であることを意識し、様々な文化の価値体系を知り、視野を広げることが必要である。

   講評   siro

 <評価> 構成のバランスがよく、意見が明確な作文ですね。にた話としては、匠子さんがアメリカにいたときのことを書いてくれました。自分の意見をはっきり述べる、というのは、考えてみれば当たり前のことです。しかし、日本では、それがやはり人々の意識として、まだ受け入れられていませんね。「どちらが良い・悪いはともかく、ここに文化の違いが明確に現れている。」とはもっともな意見ですが、先生としては日本が取り入れるべき欧米文化はここにあると思います。最後は名言を使ってしっかりまとめることができました。「意識をもち、視野を広げる」という題名にも上手くつながっていますね。

 たいへんよくできました。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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