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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言語と文化   うちら

私たちは無意識のうちに、いつも日本文化の象徴である日本語を通して物事を見ている。そして気づかないうちに一つのイデオロギーを選択していることになる。日本人は自己主張を敬遠し、すぐに「すみません」という言葉を口にしたがる。日本では古くから、謙虚であること=大人らしいと考えられてきたのだ。それとは反対にアメリカや欧州では、自己主張をはっきりすることを大切にしている。確かに自国の文化を尊重することは大切だが、これからは国際社会の時代。異民族間で誤解を招くことなく、やっていくためにも、私は言葉の背景には文化があり、また私たちはその言葉を通して物事を見ているということを自覚して生きていきたい。
そのための第一の方法は、一人一人が自分の発する言葉に責任を持つことだ。日本文化に属しているために当たり前に思えることも、他民族の人から見るとまったく違った意味を持つことがよくある、ということを自覚しなければならない。ニュージーランドでホームステイをしたとき、私は確かによく「I am sorry.」という言葉を口にした。すると「謝らないで。何でさとみはそんなに謝るの?」と言われた。日本で生きてきた私は、謝らないことは無礼で、人を不愉快にさせると無意識のうちに思っていた。しかし、先日テレビに出演していた専門家によると、「外国の人からすると、謝るという行為には、自分自身にわだかまりを残さないための一種の自己満足に似たニュアンスがあり、むやみに行うとあまり良い気分がしない」そうだ。感覚の違いとは恐ろしいものだ、と感じた。私はもっと人は自分の言葉に責任を持ち、話し相手の成り立ちや考え方を考慮した上で言葉を選び話すべきだと思う。私もそうあるよう日々心がけたい。
第二の方法は、外国の文化と接する機会を自分から増やしていくことだ。今の日本社会では、自ら積極的に関心を持たない限り、外国の文化と接する機会はほとんどないように思われる。福沢諭吉は、学校の中での生徒の先生に対する形式ばった挨拶を省略するなど、合理的な考えを持っていた。これも書物を通して外国の物の見方に触れていたからであろう。このように、他文化に触れるほど、広い視野で物事を考えられるようになる。私たちは、自国の言語、文化で満足せず、色々なものに触れ、柔軟な思考力を養っていく必要があるのではないか。そのためには社会の協賛が必要不可欠だ。一人一人が己への向上心を持ち、関心を示すと同時に、社会は外国文化に触れることの出来る場を幅広く提供してほしい。そうすれば、更なる日本のグローバル化が期待出来そうだ。
確かに、自国の文化を尊重することは大切であり、国際化が進めば進むほど、日本らしさというものの要求も強くなるだろう。が、「自分が考える通りに生きなければならない。そうでないと、ついには自分が生きた通りに考えるようになってしまう」という言葉がある。日本文化に属しているためにいつの間にか当たり前になってしまっている多くのことを、違った角度、視点から見てみることが必要なのではないか。日本の常識は、他国では決して通用しないのだ。これからの国際社会で、異民族間の誤解が生じないためにも、自分が生きて吸収してきたものを絶対とせず、大きな視野を持つことが大切だ、と思う。そのために私は、自分の言葉や思考が日本文化を背景とし構成されていることを自覚して、生きていきたい。

   講評   miri

<第1段落>よく理解して要約でき、また有効な意見が書けました。
<第2段落>たいへんよい体験をしたのですね。こういうことは、いくら本を読んでも、実感できないことのひとつです。
<第3段落>いたずらにコマーシャリズムにのって、海外の商品を(つまりブランドものなど)を手にしても、その成り立ちや歴史にまで思いを馳せる人は少ないように、「一人一人が己への向上心を持ち、関心を示すと同時に、社会は外国文化に触れることの出来る場を幅広く提供」という世の中へと変わることが急務ですね。
<第4段落>たいへん実感のこもった強い主張ができました。たいへんよく書けています。

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