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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   満場一致の弱点   すみすみ

 イスラエルでは、ユダヤ今日の習慣で全員一致の裁決は採用しないと言われている。確かに、わざわざ議会にかけるような問題が全員一致の賛成となることはそもそも不自然である。原因としては一人一人が熟慮せずにいい加減に答えているケースも考えられるし、反対意見を素直に言う事の出来ない状況がある事も考えられる。根回しが行われている事もあるだろう。さらに、「イエス」か「ノー」かは完全な形で決められるものではない。限りなく「ノー」に近い「イエス」も確かに存在するのだ。このような事を考えてみると、全員一致を排除する手法も大いに意味を持つ。
 確かに全員一致を排除するという考え方は大切だ。そもそも、「この案は採用するに値する案かどうか」ということを皆に問うための場が議会というものだ。そこに掲げられる議題ならば、当然意見が分かれるはずだ。人それぞれ立場は異なるし、全員一致になるような議題ならば最初から議題になどしない。議会を召集するほどの内容であるならば、反対意見が当然出されるということだ。もし全員一致となった場合、私の経験に基づけば中学校や小学校で理由として考えられる最もオーソドックスなものは「何者かによる圧力」か「適当な投票」である。前者の「何者か」に当てはまる人は、大抵クラスの中での地位の高い者だ。発言力や影響力が強く、このような人種の人間はクラスに必ず一人二人いるのが普通である。その人たちよりも影響力の低い立場に居る人たちは、発言力の強い方に従わざるを得なくなる。なぜなら、意義を唱えるとあとでやっかいな事になるからだ。やっかいを起こす危険性を持ちながら、なお自分の気持ちに従って反対意見を唱えることが出来る人がいるとすれば、それは賞賛に値する。人間はいつでもやっかいを避けたがるものだからだ。全員一致などというのは表面上のもので、水面下では各人が何を思って居るのかは分からず、そうなると全員一致は採択しないという習慣にも頷ける。
 しかし、真の意味で全員一致意見にするべく議論を重ねることは大切である。ただ単に多数決などの数の多い少ないで決めてしまえば必ず不平不満を言う者が出るからだ。全員一致になったとしてもそういった人達は出てくるものであるが、それにしても減らそうとする努力は必要だろう。童話「白雪姫」に出てくる七人の小人達も、それぞれ違う性格から飛び出す全く違う意見をとことん話し合うことによって一つに纏めてゆく。そういった話し合いによって決まった方法なり意見だからこそ、みんなが一丸となって働けるのだ。 確かに満場一致を排除する意見にも満場一致を求める意見にも頷ける。しかし、総合して言えることは「できあがった規則を何とか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である。」という言葉のようにその時の状況に合わせた最良の選択を探し求める姿勢では無いだろうか。<<総合化>>

   講評   kamo


 今回も、読み応えのある大作に仕上がりました。実例も、思い当たることは豊富にあったようだね。(笑) 複数の意見(実例)から総合化の形もとてもよかったです。
 小学校高学年から中学ぐらいが一番こういう時期かなあ。それも力を持った人のキャラクター一つでいろいろに変わってくるし、それがいい方向に働くこともあるかと思うけれど……。まあ、私自身、あえて「やっかい」に巻き込まれようとはしなかったなあ、中2にもなれば。^^; 難しいね。
 でも、もう一つの意見のようなことがわかっていれば、それでいいでしょう。「白雪姫」はよくできたね! これを思いつくなんて、さすが。ディズニー作品での、小人たちが議論(?)している場面は、まさにぴったりだね! 現実にはなかなかないけれど、だからこそ象徴的な、実は美しい場面だったのだね。
 総合化で、またすみすみさんらしい一ひねりが効いている。名言も考えたね。そして、「最良の選択」。まさに人生はこれを求め続ける道と言えるかもしれないね。どれだけ真剣に探し求めるか。それこそが結果として選択したものの価値にもつながるのだと思います。

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