対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日2569 今日421 合計3034
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   イエス?ノー?   いうや

イスラエルでは、全員一致の採決は採用しない。この種の言い分は一つのパラドッグスである。まず第一に、皆が一致できるような案件はいちいち採決にかけない事情がある。全員一致を確かめるのはあまり意味を持たない。皆がいい加減に答えていたり、あまり芳しくない根回しが行われている可能性があるからだ。テレビの討論会でイエスかノーかを答えるのに長々と意見を述べる論者が多い。イエスノーにもいろいろとあり、簡単にはいえないのだ。この世の全ての困難な決断は45対55の間にあると思う。30対70なら明々白々。わずか10ポイントの僅少の差異をこの世の悩みとしてそこにある。
確かにイエスとノーをはっきり答えに出すことは大切だ。はっきりしないとかえって時間がかかり結果的に答えが不明瞭な物になることがあるからだ。また無駄な悩みの原因になることもある。僕は生徒会役委員なのだが、たまに(というより毎回)先生に振り回されることがある。基本的に役委員同士で物事を進めて行くのだが、時々二人の担当の先生が伝達事を伝えに来る。それも期限ギリギリな事を突然持ち出してくるから大変だ。それに、2人の先生は気が合わないのかなかなか同じ時間には現れず、正反対の事ばかりいうのである。これは大変である。あるときO先生が来て、文化祭で使った巨大な横断幕を学校内に飾ることになった。どこに展示するかを話し合い、「会議室の壁にしよう」と、いうことになった。しかし実際その壁は意外と固く画鋲がなかなか刺さらなかった。金槌を持ち出し、一生懸命トントントントンと作業し数十分後に完成した。皆達成感で満ち溢れている時にO先生は用事で帰り、代わりにU先生が登場した。そしたら突然藪から棒に、
「これは外の壁に貼った方が良いね。」
と、鋭く言い放ったのだ。僕たちはビンタをされた気分になり、思わず猛反発した。
「先生、これ貼るのに6人で40分かかったんですよ。」
「外に貼ったらいくら屋根があるとはいえ濡れますよ。」
「下校時間ももう近いから・・・。」
「疲れた・・・。」(←誰だこんなこと言ってる奴・・・(笑))
必死の抗議に先生も折れ一件落着となったが、それにしても先生方、同時刻に来て意見を二人で一つにしてください・・・。
しかしイエスとノーを決めずに悩むことも必要だ。悩むことなく簡単に決めてしまうと後から後悔する。昔話の卑怯なこうもりはいい例だ。少しも悩むことなく獣のチームに入ったり、鳥のほうに入ったりして両方から追放されてしまった。もっと悩んでどちらかのチームに入る決心がついてからにすればこのようなことにはならなかったであろう。もともとコウモリは獣に分類されるべきだが。
 確かにイエス、ノーをはっきりさせることも、悩むことも大切だ。しかし、「議会の目的は、議論を殴り合いの代用品にする事である」という言葉のように、一番大切な事はどういう過程で物事を考えたかである。何事も中身が大切だ。

   講評   huzi

 イスラエルの採決の仕方はおもしろいですね。全員一致で大満足と考える私たちにはないものの見方です。私たちは、少々不満があっても、全員一致でまとまったほうが気持ちがいいと考えて、簡単に考えを覆すことさえあります。
  【複数の意見】をどうするか。今回は、「イエスとノーをはっきりきめるか悩むか」で、設定しました。これでいいです。世の中には、はっきりさせたことがいいものごとと、十分悩んだ末でも白黒をつけないほうがいいものごとが存在します。タイミングによってもどちらがいいか変わりますね。
  体験実例には、生徒会でのできごとを書いたね。これは……生徒にとっては迷惑ですね。はっきりきめたほうが時間や労力の無駄がさけられた例でしょう。しかし、二人の顧問の先生のどちらにつくか。この点については、卒業まではっきりと決めないほうがよさそうです(笑)。
  【昔話実例】は、苦労してひらめいたね。「ひきょうなこうもり」は、自分がどちらに分類されるのか常日頃悩んでいたのかもしれません。でも、自分の姿をよく見ようとせず、周囲の状況で得なほうにつくことで自らの立場を判断したのが、責められる原因になったのですね。自分とは何者か。それはひとりで決めなければならないのです。

 【総合化】は、難なく仕上がりましたが、全体のボリュームを考えると、あと3行はほしいかな。体験を再度持ち出して、動作情景的に結んでもいいね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)