対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   後悔先に立たず   いうや

 僕たちの支配者は、昔のような権力者ではない。現代のそれは文化のコードであり、朝から晩まで僕たち一人一人の全存在を直接・間接的に支配し続けている。情報化社会にあって文化のコードを敏速かつ広域に浸透させるのを助けているのは新聞やテレビなどのマスメディアである。しかし欲望を満足させることがあまりにも難しくなったとき、僕たちは無意識のうちに、「文化」という人の手の加わらない自然の中に逃れようとしている。あるいは「非社会」的行為の中への脱出を試みている。つまり文化のコードによるすさまじい搾取から身を守ろうといるのかもしれない。ところが逃げ切ったように思えても、そうではないのだ。
 確かに自分自身の価値観に合わせて生活することも大切だ。いい例は、例えばテストである。人によって学力が違うように目標にする点数が異なる。五教科の合計点数の目標が、ある人は400点だったりある人は450点だったり、500点だったり、1点だったりと千差万別である。(笑)いつも400点代後半をとっている人が、友達の目指しているのが300点だからといってそれに合わせるのはおかしいだろう。自分自身のハードルを少しずつ高くし、自分を高め、極め、磨いていくことが理想である。中学高校、大学受験でもそうである。周りの情報ばかりにとらわれず、自分の進みたい進路に一直線に進んでいくことは、周りから見ていて気持ちがいい。たまには今の自分の心に負けてしまうことがあるかもしれない。しかしそこであきらめずに闘志を燃やし、なにくそと思って精進していくべきである。友達と競い合って切磋琢磨していくのもいい。そういったことが感情で溢れる人間の、本物の『美』ではないだろうか。自分の本当の敵は自分である。
 しかしその時代の周りの価値観に沿って生きるといいこともある。集団での活動で、一人自分の価値観のみで動いていては、チームワークや全体の流れ、団結力が崩れてしまう。特にひとつのものに向かって、全員でひたむきに頑張っているとき、周りの価値観に気遣わないと成果が悪い方向へ動き、何事も成し遂げられなくなってしまう。練習方法では、サッカー部の人が毎日腕の筋力トレーニングのみをしていたら、周りから見てみれば明らかにおかしいだろう。いろいろなトレーニングをして、その延長線でならまだしも・・・。また、その他もろもろで、公式戦に一人だけ異常に派手な服装で来て試合に出たり(監督はそんな事しないと思うが)、グランド内にお菓子を持ち込んで食べていたり、下品でみっともない言葉ばかり使っていては、周りの目から見ておかしいし、チームワークはまるでなだれのように崩れ落ちていくだろう。これでは全く桃太郎とその仲間のような結束力は生じない。
 確かに、自分自身の価値観に従う事も周りの価値観に合わせて生きることも大切だ。しかし「悪いことそのものがあるのではない。時と場合によって悪いことがあるのである。」という言葉のように、一番必要な物は時と場合によっての価値観が、本当に自分の価値観なのか、周りの価値観なのかを見分ける力である。その力がないと大事な決断をする時に、誤った視点からの価値観で判断してしまい、後で後悔する。

   講評   huzi

 終わっていなかった課題をちゃんと仕上げたね。三月の進級テストも同時進行させるとは、みごとな精神力です。
  「文化のコード」がテーマの長文。私たちは、何をするにもどこに行くにも、無意識のうちに社会の価値観にしたがった行動から逃れられない。大きなテーマです。將くんは、自分の生活の範囲で【複数の意見】を書いていますね。
  一つ目の【意見】。たしかに学力は「文化のコード」に縛られやすいよい例ですね。他人との比較の中で自分はどうするのか考えてばかりいると、自分らしさを見失ってしまいます。情報は役に立つこともありますが、情報が自分を動かすのではなく、自分が情報を取捨選択し役立てる姿勢が大切なのですね。※「友達と競い合って切磋琢磨していくのもいい。」の一節は、意見の流れから考えると削ったほうがいいかな。
  二番目の【意見】は、反対の方向から。【昔話実例】の使いかたが、上達したね。物語の要素をひとこと書くだけでも、十分効果アリですね。体験実例は、「……のようになってしまう」とマイナス方向から照らした意見になったね。いつも、プラス方向からの体験が多い將くんにしては珍しいなあ。書き出しが、「周囲の価値観に沿って生きるといい」なので、「いい話」もひとつ、欲しいところ。
 結びは「見分ける」に落ち着いたね。【総合化】らしく、「見分ける力であるを持ってきたので、これでOK。さらにこのあと、見分ける力を養うために……と、発展させてもいいね。

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