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　　　日本人が、淡白であるかわりに　　　あしも

日本人が、淡白であるかわりに
　日本人は、うるさいことは嫌いだという。ごてごてしているのはおもしろくないと感じる。こういう傾向が言語に影響しないはずはない。こまかいことは省略してしまう。ありのままをくどくどのべるのは興ざめだとされる。そういう淡白好みの通人たちが考えだした詩型が和歌であり俳句である。和歌が仮名言葉中心であるのに、俳句では漢語の比重が大きい。そういう和歌と俳句の相違はありながらも、実によく似ているのは、言葉のいわゆる論理に背をむけていることである。感覚的に全体を直感で把握している。
理屈ではなく直感に訴えようとする日本的なコミュニケーションの取り方はよいと思う。
その理由は第一に、相手の言いたいことを読み取ろうとすることで思いやりの心が育
つからである。以心伝心の術を長ずるようになると、例えば、口に出すには辛すぎるということは、言わなくても分かるようになり、その人は辛い気持ちにならなくて済むなどということだ。
その理由は第二に、短い言葉から想像を広げることで感受性が豊かになるからだ。データ集によると、企業の宣伝費について、第一位はトヨタ自動車で70,918百万円、第二位は花王で49,237百万円、第三位は日産自動車で46,703百万円だそうだ。コマーシャルは大体1分ぐらいだ。その短い間に商品のことについての宣伝を言うわけだ。どれほど、短い言葉で伝えているのかがよく分かる。
確かに物事を理屈で考えることも大切だ。しかし、やはり、短い言葉を効果的に使うことが大切であると思う。

　　　講評　　　kira