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　　　完全燃焼　　　いうや

　学童のゲーム、あそびには多くの想像力や抽象思考力が入ってくるからきわめて多彩なものになる。おそらくそれは、後の交友、恋愛、結婚などという対人関係の基盤を作る力を持っているのだろう。学童のゲームとは社会的ルールを守ること、そのために他人と協力すること、つまり倫理の基本的訓練が行われている。また、そのあそびでは想像性が豊かに発揮されると創造的活動へと繋がっていく。これを上手く発達させれば、大人の卑小な「現実」を乗り越えさせ、新しい精神の世界を生み出す基礎能力となる。
　確かに学童の時のあそびから、ルールを学ぶことができる。先日、僕の母校の小学校に友人と遊びに言った。空にはあたり一面に厚く暗い雲が覆っており、どんよりとしていて今にも雨が降り出しそうだった。そのときの目的は昔の担任の先生に会うことだったので、少し雑談して、すぐに帰ろうとした。そうしたら野球部が練習しているところが視界には入り、足が勝手にそっちへ動いてしまった。少しノックをしてやって、さあ帰ろうと思い校門に向かった。そのときぽつぽつと雨が降ってきた。と、同時に、なにやら幼い声の持ち主同士がけんかをしていた。
「お前今、線越えただろう。だから俺たちのマイボールだって。」
どうやらドッヂボールをしているらしい。
「絶対に出てないよ。」
四方八方から千差万別の声が飛び違い、何だか僕は笑えてきた。なんか幼いな。しかしそれと同時に『自分たちはどうなのか』と、いう疑問が湧いてきた。確かにそんなことでは討論にならないだろう。しかしお調子者がふざけたりして、ルールを破っていることはあるだろう。自分もその一人かもしれない。それで不愉快な思いをしている人はたくさんいるだろう。ほんの些細なことだが、ルールを守ることの意味を思い出すことができた日だった。
しかし勉強でも自分の能力を高めることができる。特に読み書きそろばん（計算）などは江戸時代から人々は学ばれているように、日常生活では必要不可欠である。その三原則ができていないと字は読めないから説明が読めないし、また自分も文章を書けない。そして買い物ができないのだ。なんとも不便である。と、いうより生まれたばかりの子供を野球の試合に出すのと同じである（まだ歩けもしないのに・・・笑）。昔話の裸の王様でも、きちんとした教養がないから、詐欺師にまんまと騙されてしまったのだ。ある程度の知識が在れば服コレクションであろうとあんな嘘には引っ掛からないだろう。たとえ小学生でも・・・。
確かにゲームやあそびでも、勉強でもそれぞれ自分のためになる。しかし、「好きこそ物上手なれ」と、いう言葉もあるように、最も大切なことはそのことを心底楽しむことである。何事も得意になることは好きなこと、すなわち趣味のような物から生じる。嫌なことを無理矢理押し付けられてしていては、いつかはそれが苦になり不完全で終わってしまう。誰でも問題が解ければ楽しいし、熱中できる。そういう気持ちを頭にとどめて、勉強でも目標を持ち、学ぶことのできる幸せを感じながら生きていきたい。そして最後は、完全燃焼したい。

　　　講評　　　huzi

　進級テストの課題でした。題名通り、完全燃焼できたね！　もちろん、合格です。滑り込みセーフ＆ホームラン！（意味不明(^_^;)
　 遊びが人間の原動力となる。確かにそのとおりだと思います。もっとも、遊びにも様々な種類があって、ここでいう遊びとは創造をし協力しあう要素を含んだ遊びだね。【複数の意見】の設定は、難しくなかったでしょう。遊び⇔学習と対応させながら書けばよいのですから。
　 小学生の遊びかたを見て、そこにルールの大切さを見出したのですね。大人になったと感じた瞬間だったと思います。けんかの真っ最中の小学生たちは、「相手が悪い」という感情でいっぱいだったでしょうが、この気持ちを乗り越えて、譲り合いを学んでいくのですね。
　読み書きの大切さを書いた例の【昔話実例】には、裸の王様を持ってきたか。なるほど。とっさによいアイデアが浮かばなかったので、そのあとどうなるか、少々気をもんでいましたが、「実は王様には本物を見抜く教養が不足していた」と考えたのですね。つまり、ぜいたくや遊びになれてしまうと、自分の能力を高めることは難しいということかな。
　今回の【総合化】は、完璧です。「好きこそ物の上手なれ」は、まさにそう。勉強にしても遊びにしても、その人の能力が最大限に発揮されるのは、「好きだな」と思い、楽しんで取り組めるとき。完全燃焼するための最良の燃料となるのは、こういう思いですね。