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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自分への自信   ポテチ

私を含めたおおかたの日本人の心のなかには、良かれ悪しかれ「謙譲」を「美徳」とする意識が残っているような気がする。日本人は、対する人間の出方次第で自分の位置や行動を決めるきらいがある。だからこそ、なるべく早く、目の前にいる人がどういう人間なのかを判断、整理、類別しなければならない。かくして人は、自分の立場を確保するために他人を型にはめたがり、その作られた型からはみ出て「打たれる杭」にならないよう、自分自身は「謙譲の美徳」を利用する。考えてみると、つくづく日本には、個人の秘めたる才能をできるだけ伸ばさないようにする基盤があることに気がついた。では、どうすればいいのだろう。難しい問題だ。何しろ、他人をけなす人は多くても、おだて上手が少ない国だから。「できる、えらいぞ、ほれ、ガンバ」残る手立ては、自分で自分をほめちぎり、なんとか怠けている細胞をたたき起こす以外にない。私は、日本人はもっと自己アピールをするべきだと思う。
その理由の一つに自分の価値をわからない人は、他人からみても価値のない人になってしまうからだ。自分のことをこんな奴…と思っていると、いつの間にか行動にも自信のなさがでてきてしまう。以前私も自分に全く自信がなく、人にたのみごとをされたり、伝言をたのまれたりすると「できたら伝える」とか「忘れたらゴメン」といってしまう癖があった。こう言うことで相手に期待をかけられずにすむと思っていたからだ。しかし結局誰にも信用が得られなくなってしまった。だから今は「分かった」といい、必ず忘れないようにした。頼む人にとっても自分に自信のないおどおどとした人には頼もうと思わないと思
う。
 もう一つの理由に自己アピールをしないと大きなチャンスを逃すかもしれないからだ。データによると、世界の億万長者は、一〜一六位が外国人となっていて、一七位でやっと日本人が入っている。ふと、これは自己アピールの仕方の違いではないかと思った。自分の自信があるからこそビックチャンスに飛びつける力があると思う。今もライブドアとフジテレビが株のことで争っている。ニュースを見て、自分が堀江社長だったらそんな大きなことなんかしないで好きな物を好きなだけ買うことにお金を使うのになあ…と思った。しかし、やはりお金がせっかくあるならば大きな賭けをしてみてもいいのかもしれない。外国人は自分の可能性を信じて、自己アピールをしているから大金持ちなのかもしれない。
 確かに自己アピールも度をすぎると威張っているといって嫌われる。しかし、「才能とは自分自身を信ずる能力である。」という名言のように自分を信じることで成功することも多いと思う。だから、できるだけ自分を信じて生きていきたいと思う。

   講評   inoro

こんにちは、愛美ちゃん。中学1年生最後の作文は「自己アピールをすべき」という意見文でしたね! さあ、愛美ちゃんが、どう斬るか! 楽しみに読みました。
【第段落】⇒著者の意見では、日本人は「謙譲の美徳」を「利用」し、出る杭にならないように振舞うのだということ。でも、著者自身は、自分をほめようと大胆に文を結んでいます。愛美ちゃんは、“日本人はもっと自己アピールをするべき”という意見を出し、題名『自分への自信』とつなげて書くことができました。
【第段落】⇒理由は、自分で、まず自分の価値をアピールできなければ、他人からみても価値を認めてもらえないから、というニュアンスで書くことができましたね。日常、自信の無い部分があったために、結果、「他人に信用されない自分」をアピールしてしまっていたのですね(◎体験実例)。でも、それに気付けた、ということが良かったよね。
【第段落】⇒「●理由二」は、“もう一つの理由に自己アピールをしないと大きなチャンスを逃すかもしれないからだ。” 世界の億万長者(「フォーブス」1997年)の「●データ実例」を挙げ、自己アピールの違いが世界と日本人との間にあるのでは? と仮説を立てることができました。時事的に旬な話題、ライブドアとフジテレビのニッポン放送株取得争いを持ち出すことができました。大きな賭けに出られる人、自分の可能性を信じて自己アピールできる人が、大きなチャンスを得られる、確かにそうかもしれないね。
【第段落】⇒“確かに自己アピールも度をすぎると威張っているといって嫌われる。”なるほど、自慢のように映ってしまうと、逆効果ということもあるね。「●名言」;「才能とは自分自身を信ずる能力である。」を使い、自分を信じて生きていきたい、愛美ちゃん自身をアピールできた作品となりました。

だれかの期待が強いと、それを生きなくちゃ、と不安になりますね。でも、本当は、自分で自分を生きていいのです! きっとそこにこそ、“だれかの期待以上”の素晴らしい自分いるのではないでしょうか! 自分を確かな土台に置いて、生きていけたらいいですね。大きなテーマを、身近な例、時事的話題を使いながら論じることができ、とてもよかったですよ! コツコツがんばった愛美ちゃん。大変立派でしたよ! よくできました! 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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