対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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人や物との関わり こめ
子どもたちの身体の異変は近年、いっそう顕著である。教室における身体の異変は、日常的に深く浸透している。他者への気配りはすれ違っているし、他者への無関心は、大人に対しては根底的な不信の感情となって現れている。今の繋がりのなかでは「出会い」も「対話」も生まれようがない。モノとの出会いの経験も、道具の使用経験が未熟であったりと、著しく貧困である。モノと出会いモノを道具によって操作する体験や文化が欠落しているのである。言葉という道具においても同様の事情があり、「文字離れ」「活字離れ」は、いまや決定的である。国民の七割がほとんど手紙を書かない状況を迎えているが、おそらく中学生と高校生に限定すると、その状況はもっと深刻だろう。
私は、今の子供は物との出会いが少なく、また言葉の使い方も正しくなくなっていると思う。だから、物との関わりを大事にするべきだ。そのためには、どうすればよいか。
第一の方法としては、手作りと言うことも大事にすることだ。最近は、どんなものも店に行けば手に入るし、また、複雑な作業をしなくてはならなかったものを簡単な作業で済ませるというものもある。そのため、物との出会いが少なくなってしまい、結果として物との関わりというものがなくなってしまう。だから、手作りということを体験させ、物との出会いの機会を与える必要がある。例えば、料理といったものも、店売りされている調理済みのものを使うのではなく、材料から作るということをすれば、なにか物との出会いがあるはずだ。流石に、精密機械までそういった方法を用いる必要はないが(笑)。
第二の方法としては、学校教育で、実験や調査など、物や人との関わりを必要とする授業に、力を入れていくことだ。教育において、真面目な実験や調査は必要不可欠な要素だ。それなのに、授業が遅れているからと言ってそういったものを省いている人がいる。実験や操作を行ったとしても、力をあまり入れていないために、安全面や礼儀が良くないということも多い。実験や調査は、物や人と関わりを持つ良い機会となるため、やらないとか、中途半端にやるといったことはあまり良くない。学校教育で、本気になって実験や調査を積極的に行う授業をすれば、長文のような状況よりはずっとましになるはずだ。
確かに、手作りということは面倒だし、真面目な実験や調査を行っていると、時間が足りなくなってしまう。だが、手作りということ、それに真面目な実験や調査は時間をただ浪費するものなのではなく、その消費した時間だけ人や物との関わりを深めることができるものなのだ。最近の小学生、特に高学年を見ていると、全く礼儀知らずである人が大勢いる。また、ドライバーとか、金槌とか、そういった工具に触れたことさえない小学生も多い。このままだと、敬語とかそういうものがなくなってしまい、物との関わりもなくなってしまうと思う。だから、物との関わりを大事にするべきだ。
講評 kamono
教室の光景が寒々としたものだという課題の文章から、では、どうしたらよいのかという考察をする文章が課題ですね。物との関わりを大事にするべきだ、という主題のもとに、手作りを大事にすることだ、そのとおりですね。手作りということを体験させる、その方法として、料理を持ってきました。<店売りされている調理済みのものを買うのではなく、材料から作ってみる、そこに、なにか物との出会いがあるはずだ>。そういうことって、あるかもしれませんね。次に、真面目な実験や調査、つまり物と人とのとかかわりが不可欠だ。そうですね。それも一つの方法でしょうね。結びで、<小学生の高学年を見ていると、全く礼儀知らずが大勢いる。ドライバーとか、金槌とか、そういった工具に触れたことさえない小学生も多い。このままだと、敬語とかそういうものがなくなってしまい、物との関わりもなくなってしまうと思う>という部分は、わかるのですが、少し、飛躍を感じさせます。この数行、道具を使うこと・敬語を使うことの関係をつなぐ説明を少し、しておかないと、筆者の考えていることが、うまく伝わらなくなりますね。
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