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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   マスコミ   ルフィ

 日本では、世界でも例を見ないほど言論の自由が保護されている。だが、それに反するかのように、マスコミたちの報道は画一化しており、加えて商業主義的な「売れ筋なら何でもやる」という理念が闊歩している。だが、それは本来の報道の姿勢というものから考えればあまりよいものとは思えない。だからこそ、日本のマスコミは過剰な商業主義や、ステレオタイプな報道を克服すべきである。
 そのためには、第一に私たち自身がその商業主義的なマスコミの報道姿勢に煽られない必要がある。我々は、ついマスコミとは永世中立の立場にあり、彼らの言うことを全面的に信頼しがちである。だが、世の中には次のような事例もある。オウム心理教による松本サリン事件が起こった頃、一人の男性が犯人として挙がってきた。彼の名は河野義之。だが、ご存知の通りこれらの事件は全て麻原氏一連のグループが行なったものである。つまり、河野氏犯人説は完全なる誤報。後に彼は冤罪として、法廷で戦うことになった。私は、このことをたまたまオウムについて調べていた際に知ったのだが、もしそれがなかったらこのような事件があったことすら知らずにいたであろう。これがマスコミの怖いところである。たとえ一時期大量に間違った情報を流し続けていても、少量の訂正とお詫びを添えて各社いっせいにぴたっと止めてしまえば、後に残るは被害者の心の傷のみである。だからこそ、私たちは仮に「だれそれが犯人」とマスコミが報道していたとしても、常に懐疑的な視点を持つべきなのである。
 また、社会全体としてはマスコミをチェックする仕組みを作るという方法がある。これは、マスコミが「面白い」記事を追い求めるがあまりに、政治批判等をしなくなるのを防いだり、政治と癒着するのを阻止したりするためにある。具体的な例を用いると、例えば第二次世界大戦下のドイツ。ヒットラーはマスコミとくっつき、うまく民衆を扇動して、第二次世界大戦を引き起こし、かつユダヤ人の大量虐殺を彼らの中で正当化させた。このような事例が起こったのも、結局は報道機関を規制するシステムがなかったことが原因であり、私は未然に防げたものであったと思う。
 だが、何を言っても確かにマスコミは皆が興味関心を得られるものを売る必要もある。だが、それが単一的であること、過剰であることに私は問題を感じるのだ。「情報とは、絶対価値を持つものではなく相対価値の上に存在するものである」ように、マスコミは情報の希少性を自ら減退させ、自分で自分の首を絞めているように思える。日本のマスコミにも、このことをもう少し多くの人に、気づいて欲しい。

   講評   kira

 ルフィくん、こんにちは。報道合戦は毎日熾烈を極めていますね。マスコミ論となりましたが、今回の「商業主義」といったイメージをいちばんもたらすのは、テレビでしょう。目で見る動画のメディアが登場して以来、過熱した側面がありますね。
 かといって今の私たちにテレビなしの生活を強いることはナンセンスでしょう。良くも悪くもテレビからの刺激で私たちは日々を活性化しています。だからこそ、個人としてはその内容にいたずらに踊らされない心構えが必要であり、社会には情報の公正をチェックする機能が必要なんだね。
 サリン事件では、報道のあり方が大いに問われましたね。事件の全容がわからないうちに実名を報道して責任を問われるような問題も後を絶ちません。まさに「ごめんなさい」では済まない問題です。
 マスコミをチェックする機能がひとつの権力に集中するとまた別の意味の危険がありますが、透明性のある機関は必要ですね。マインドコントロールが起こっては大変です。
 情報化の時代となり、膨大な情報が入手可能となりました。それを選び取る目をもつことが個人の責任となってきましたが、公に語る立場のマスコミには、個人よりもさらに大きな責任を負う使命がありますね。
 

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