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　　　ミイラは薬？！　　　オーロラ

　ミイラを取りにいった人が、目的をはたせずに、自分もそこで死んでミイラになってしまうこと。ミイラをくだいて粉にしたものを、けがした人や病気の人にのませると、とてもききめがあるといわれた。そのため、ヨーロッパでも日本でも、危険を知りながら「ミイラ取り」にいった人がたくさんいたらしい。（三文抜き書き）
　私が、この「ミイラ取りがミイラになる」を読んで一番びっくりしたのは、ミイラが薬になると、信じられていたことです。こんなことが長い間信じられていたなんて、私には考えられません。私だったら病気をしても、その粉は飲みたくないです。でも、命にかかわる病気で、それを飲んだら治るというなら飲むと思います。けれど、いくら大金がもうかっても、危険をおかしてまで取りに行くなんて、バカげた話だと心の中で思いました。
　私も、この前風邪をひいたとき、とっても苦い薬を飲まされました。私は、粉薬が苦手です。それを、飲むのをいやがっていると、お母さんが
「オレンジ味だから、あまいよ。」
と、自信たっぷりに言ったので、勇気を出して飲んでみました。
「うえ、まず。」
やっぱりまずかった！　たしかに、ちょっとオレンジみたいな味がしたけど、舌にくっついて気持ち悪かったです。このときから、私は、粉薬がもっときらいになりました。やっぱりミイラを飲むなんてとんでもないです。(笑)
　私のお母さんも、しょっちゅうミイラになっています。私といっしょに、私の本や文房具を買いに行くと、最初は私に
「早く決めてね。」
なんて言うくせに、そのうち自分のものばかり見て、私が
「もう帰ろうよ。」
と言っても、なかなか聞いてくれません。やっと帰るときには、お母さんの買い物の方が多かった、ということがよくあります。（笑）
　私はこの話を読んで、「ミイラ取りがミイラになる」ということわざが、こんなところから来ているなんて、初めて知り、おどろきました。

　　　講評　　　nara

　三文ぬき出しがすごくうまくまとまっているね。ことわざの意味と成り立ちがすっきりとせつめいできているよ。オーロラちゃんは本を読むのが大好きだから、大切なところを見落とすことなく、しっかり読めているのだね。
　この「三文ぬき書き」がしっかりできているから、感そう文もぬきだした文にかんれんづけて書けばいい。「ミイラが薬だった！」「このこわざは、今の時代も通用する。」この二つについて、具体的な話をくわしく書けたね。
　ミイラは人の死体……それが薬になるとは不思議だね。元々は、ミイラを作るための薬品が効くと思われていたのに、だんだん「ミイラそのもの」が薬だと思われるようになったのだというのが、おもしろいね。昔の人も病気になったり死んだりするのはとてもいや、だから、よくきく薬だったら高くても買う・お金を出す人がいるから、ひともうけしようとたくらむ人がいる……健康やお金をのぞむ気持ちは、昔も今も変わらないのかもしれないね。
　オーロラちゃんがミイラになったのではなく、お母さんがミイラになっていたのか！　この話は、いろいろな家庭（かてい）でありそうだなぁ。大人も好きなものを目の前にすると、ついついミイラになってしまうのね。今度はそんなことになったら、「ミイラだ！」と言ってみようか。お母さん、どんな顔をするかな？
　ことわざは、日本以外のところで生まれても、日本でも通用する。大昔の話でも、今の時代に通用する。そこがおもしろいね。これからどんどんことわざをおぼえていこう。