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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   活字とオーディオ・ヴィジュアル   さぼてん

 読書の楽しみは一人でできる楽しみだ。碁を打つには相手がいる。野球を楽しむには自分の他に少なくとも十七人の賛同者が必要なのだ。そういう楽しみは、いつでもどこでも、というわけにはいかない。道具や、設備や、場合によっては途方もなく広い場所がなければ、どうにもならないのだ。読書の方は、設備も要らず、どこかへ出かけるにも及ばず、相手と相談もせず、気の向くままにいつでもどこでもできるのだ。「オーディオ・ヴィジュアル」の情報が、活字情報を駆逐する時代が来た、という人がいる。私はこれにちょっと不満だ。でもまた後で・・・。そして、人生は短く、面白そうな本は多し。 一日に一冊読んでも年に三百六十五冊。そんなことを何十年もつづけることは不可能で、一生に一万冊読むのもむずかしい。この世にある全ての本を読み尽くすなんて、とても途方なことだ。
 私は本は面白いと想うし、テレビや映画も面白いと想う。まあその人がほとんどだろう。というのも、活字にもオーディオ・ヴィジュアルにも良い所はたくさん在る。例えば、自分がある映画の原作小説を読んだ、そして、それが映画になった、とする。そうなると小説の活字を見て考えた自分の想像の世界と映画の映像や声ではほとんど違うイメージになってしまうだろう。そして、結果的に「映画にして欲しくなかった」とかの声があがってしまうのだ。逆には、あるテレビ番組が、その番組のいろいろをまとめた本を出版したとする。でも、その本を読むのとその番組を見ることだと、遥かに見るほうが面白いだろう。このように活字とオーディオ・ヴィジュアルは両方を支えあっているのだ。
 私も「活字とオーディオ・ヴィジュアルはどっちが好き? 」と聞かれるとかなり答えに困ると想う。そして、むちゃくちゃ時が経って出る結論は「活字。」だと想う。(すぐ答え出ているけどね。)でもこれはあくまでも私の感覚であって、人間全員がこう答えるとは限らない。むしろ「オーディオ・ヴィジュアル」と答える方が多いかもしれない。そして何故私が活字が良いかというと、今読んでいる本にむちゃむちゃはまってしまったからだ。萩原 規子という人の書いた、「空色勾玉」「白鳥異伝」「薄紅天女」の三部作だ。今私が読んでいるのは「白鳥異伝」の最初の方。これは第二部だから完結には程遠いけれど、先が気になって気になってしょうがないので完結するまで頑張る事にした。のは良いのだけれど、この三冊は全部分厚い、途方も無く分厚い、変な体制で本を読むと肩がこってしょうがない。その点はビデオを入れとけば簡単に楽しむ事ができるオーディオ・ヴィジュアルとはちょっとオーディオ・ヴィジュアルの方が優れている。
 読書とは人にとって、一回は体験しなければならないものなのだ。活字からその状況を想像して、勝手に頭の中で思い描いていくということは楽しい事だ。一人でいるのに頭の中だけに存在する自分の思い通りの顔や声のキャラクターともう一人のキャラクターが出てくる。そのキャラクター達が頭の中だけでも一人じゃなく感じさせてくれるので、一人が嫌いな人でも本は良い。本はほとんどの条件に適している。

   講評   yama

 こんにちは。読書の楽しみについての長文だったので、感想文もいつもよりも書きやすかったかな?さぼてんちゃん自身の意見が独自の言葉で書けていると思います。

 まず第二段落で、活字とオーディオビジュアルとが相互に支えあっていることにふれ、第三段落で自分なりの実例を入れてくれました。よいバランスです。その後自分が実際にはまっている本を紹介してくれているので、説得力があるね。せっかくなのでここで第二段落の意見とからませて、「この本が映像化されても本で読むほうが楽しいと思う」などの想像とその理由を書いてみたらおもしろいね。第四段落のまとめにもうまくつながると思います。
 最後のまとめの読書の楽しさについては、先生も一票!です。本には本の、何ものにもかえがたい良さがあるよね。

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