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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   専門家は必要か?   しっぽ

 現在『子供』の問題が非常に捉えにくくなっている。社会の中で、子供についてのある一定の共通事項が成り立たなくなったからである。子供についての問題だけではない。あらゆる場合で、この現象は見られるようになった。しかし、現代の社会で、専門家の知識がますます必要になってきているため、こういった問題の対処の仕方を慎重にする必要がある。これらの問題の原因として、専門家がその人たちの持っている知識や仕事によって、不必要に自己を権威づけようとすることが挙げられる。このように、社会の中で専門知識が過大評価される風潮がある。私たちは、もっと人間同士の触れ合いを重視すべきだ。
 その原因は第一に、知識が細分化された上に、それぞれが高度になったからだ。私達の身の周りにも、そういった専門知識は溢れている。しかし、その知識に対する個人の認識度には大きな差が見られる。例えば、学校や町内会で配布される会計報告書。一般的に考えて、簿記や経済学などに詳しい人、あるいは大学で専攻した経験のある人は、会計報告書を配られた人の中でもほんの一握りでしかないだろう。私の学校でも、会計報告書は、毎年年度の終わり頃までには配られる。しかし、私も家族も注意して見たことは無かった。見てもわからないからだ。しかし母の友達が、私の学校の会計報告書を見て、あまりの杜撰さに驚いた。その人は昔ファイナンシャルプランナーをしていたことがあって、経済学に精通していたのだ。しかし、普通の人はその報告書の欠落に果たして気づいただろうか。たくさんのものが簡略化され、数式化される。今になってやっと、誰にでも理解できるようなものの必要性を感じたようだが、私達はもっと早く、その問題に着目するべきだったのである。
 また、第二の原因は、肩書きや権威を重んじる日本社会の伝統にある。江戸時代の士農工商に見られるように、日本は他国に比べて、権力を強く意識しているようだ。その価値観は今でも強く受け継がれ、「専門家」という響きに大きな魅力を感じるのだ。ただ肩書きだけが欲しいのであれば、肩書きだけでは全く意味を持たない。重要視すべきは、その人間の中身である。
 確かに、情報などが氾濫し、複雑化する現代社会で、専門知識を持つ人たちが仕事を分担すれば、労力も時間も削減できる。しかし、現代社会に必要とされるのは、機械的な処理能力だけではない。淡々と事が進行し、時間が過ぎる中で、人と人との関わりも信頼関係も薄れて行く。人間は心を持ち、それを言葉で伝える。その行為を行ってこそ人間は本来の姿に帰るのだ。人は互いの関係にこそ意味があるのだ。

   講評   nane

 問題提起の焦点が絞られているね。今回は、子供の問題ということで書き出しているけど、これはもっと一般化して考えてもいい。そうすると、専門的な知識に対置するものは、人間的な触れ合いではなく、アマチュアの感覚ということになるか。
 お母さんの友達の会計報告書チェックの話は面白い実例。これだけいろいろな知識が高度になってくると、ある人には見えて、ほかの人には見えないという分野が多くなってくる。しかし、人間はすべてに精通するわけにはいかないから、少なくとも自分の専門分野の知識は確立しておいて、ほかの分野は他の人の協力を得るということになるだろうね。
 日本における肩書きの重要性というのは、確かにありそうな話。権威主義というのは、日本の社会がやはり長期間安定していたからできた文化的風土なのだろうね。字数を長くするならば、ここで社会実例を入れていくといいよ。
 結びで、書き出しのテーマに戻り、全体の構成が落ち着いた。しかし、書き出しは、触れ合いではなく素人の実感というところにしておく方がよかったかも。
 森リンの点数が安定しているね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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