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　　　「いたずらをしたこと」清書　　　えちお

　「ザクッ、ザクッ、ザクッ・・・カン、カキー」
「あれっ、なんだなんだ」
「石にあたったみたいだ」
「よしっ、ぼくに任せて、ヨイショっと」
「ガン、ガン、ポロッ」
「よーし取れたぞ！さあ続きだぁ」
　僕は友達3人と、僕たちだけの隠れ家を作ろうと試みていた。イメージとしては昔の竪穴式住居みたいな防空壕みたいな感じだ。でも、穴を掘ることはそう容易いことではなく、大変なことであった。土が粘土状になって掘りにくくなっていたり、石に突き当たったり、とそれはとても力がいることだった。けれど、そんなことは苦にもならない。なぜなら、僕たちの気持ちはもうすでに、完成した隠れ家に向いていたからだ。隠れ家ができたら、いろいろな不要物を集めて椅子や机なども作って・・などなど、アイデアは次々と湧いてくる。僕たちは、みんなで、
「これもエコだよな、リサイクルに貢献しているぜ」
などと言って、まるで、トムソーヤとハックになった気分でとても楽しく隠れ家作りに精を出していた。
　「こらー！何をやってるんだ！公園の中で勝手に穴を掘るんじゃない！」
僕たちは一瞬、凍り付いてしまった。僕たちが呆然としていると、
「はやく、穴を埋めて元通りに直して、さっさと出て行きなさい！」
と、すごい剣幕で近所のおじさんが怒ってきた。おじさんは、いつもここの公園を犬の散歩のルートで通っていたので、ぼくたちは、そのおじさんの名前などは知らなかったが、顔だけはしっていた。多分、おじさんも「いつものやつらだな」と僕たちのことを知っていると思う。そのおじさんが、いなくなると、僕たちは懲りもせず、
「本当、もう、頭にくるよな」
「俺たちは遊びで、それも公園の隅でみんなの遊びの迷惑にならないところを選んでやっているのにな」
「おじさんの方もいつも砂場に犬がおしっこするのに知らん顔だもんな」
「そうだよ、そっちの方がよっぽど悪いよ」
などと好き勝手なことを言って、自分たちの行為を正当化しようとしていた。挙句の果て、
「そうだ、どうせここまで掘ったのだから、元通りにするように見せかけて落とし穴にしてしまおうぜ」
「そうしよう！そうしよう！」
と穴の上にビニールシートを引き、杭で留め、その上に丁寧に掘った土をかぶせて落とし穴を作った。
そして、３０分ぐらいたった後、おじさんが犬を連れて帰ってきた。友達の一人が、
「おじさん、さっきはごめんなさい、穴はこの通り元通りにしておきました」
僕たちも続いて「ごめんなさい」と言い、おじさんが「どれどれ」と穴を見に来たそのときだ。
「ドスーン」「いてぇー！」
見事におじさんの足は穴にはまり、その勢いでしりもちをついた。
「ハハハハ、ゲラゲラゲラ」僕たちは、大笑いをしてしまった。
「お前たち、何をしとるんだ」
もうおじさんの怒りは絶好調に達している。
「お前たちの家はどこだ」「親を呼べ」
もう怒りは収まりそうもない。僕たちのそれからは、親に怒られ、おじさんにげんこつを喰らい、それはもう散々なものであった。でも悪いことは悪いことで、とても反省した。心よりおじさんに申し訳ないことをしたと思っている。けれど、不思議なことに、今ではおじさんと僕たちは大の仲良しなのだ。本当、人の縁とはわからないものである。

　　　講評　　　kan

　こんにちは、盛晃くん。今月から新しい項目になりましたがいかがですか？　どの項目もよく書けていると思いますよ。もしわかりにくい項目があったら質問してくださいね。どんな小さなことでも構いません。
　今回の清書ですが、きちんと常体に直してくれたのですね。今後は常体で書くようにしましょう。今まで敬体で書いてきているのでついうっかり敬体が顔を出してしまうことがあります。書き終わったらミスがないか確認することも忘れずにね。