桜の散り初めのころのある日、枝を離れた花びらを見ていて、これが地面に達するまでのあいだの状態を、ぴたりと表す言葉がないのに気がついた。それは「漂う」でもなく、もとより「降りる」でもない。花便りのいろいろの言葉を作り出し、育ててきた日本語だから。私のまだ知らないところに、あの美しさを表す言葉があるかもしれない。もし日本語にそれがなければ、それは日本語の語彙の貧弱を意味すると、二十年前と同じことを考えさせられた、日本語になくてはならない言葉のように思える。
私はBritish School の友達の家に行ったときに初めて英語の映画を見ました。私は帰ってお母さんにどのような映画だったかを説明しようと思ったけれど、なんだかその映画を表せる言葉を見つけられないのです。というよりも、その映画の会話文を訳せないのです。私は仕方なく少し違う意味の話を教えてあげました。私は日本語で知らなく英語の意味では一応知っている言葉・・・。その会話文は「You Suck!」でした。私の友達は、“It is really bad word in English, so may be it is not in the dictionary.”と言われました。私はそのときにもしイギリス人が日本語を勉強するために辞書を持っていたら、その辞書には「アホ」や「ドジ」などはのっていないでしょう。
私は日本人学校に行っていたころに英語とオランダ語をならいました。オランダ語はGの発音がとても難しく英語はRとLの発音を分けるのが難しいのです。だから外人は私の発音を一生懸命聞いてくれるけれども普通に話すまではいきません。そこで私が考えたのは外人と話すためには単語を知ることや発音練習をすることです。たくさんの意味を持つ言葉・・・。私は間違えてRiceの発音がいえなく“I ate rice this morning.”といおうとしたら・・・。“I ate lice this morning.”といってしまい笑われました。Liceの意味はシラミ・・・。
言語というのは人間が作ったものであるために、言葉では言い表せないものが自然界や日常生活に生じます。それを補うために人は「五感」をもって生まれたのではないかと思います。たとえぴったりとその動作や物体などを表す言葉がないとしても、それを言葉で説明したりその特徴を述べたりする事で相手に伝えることができるという事が本当の「言語の理解」なのかもしれません。それから、言葉では言い表せない事はまだまだたくさんあります。けれども、そこが言葉の魅力ではないでしょうか。人間にとって言葉とは・・・?何でも言い表せるわけではないが、とても大事な存在だと思います。それから、知っても忘れてしまう壁でもあると思います。言葉がなければ、全然自分の言おうとしていることが伝わりません。けれど言葉でも言い表せないこともあります。言葉は、とても不思議な物だと私は思います。