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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   父のあり方   ルル

父が父でなくなっている。父が父の役割を果たしていない。そもそも父の役割とは家族を統合し、理念を掲げ、文化を伝え、社会のルールを教えるというものである。しかし、この役割を果たすためには立派な父である必要がある。しかし、現在典型的な父で無い父、つまり、「友達のような父」が増えているのである。彼らは上下の関係を意識的に捨ててしまった。価値観を押し付けるような事は絶対にしない。そして、子どもの自主性を重んじて決して強制はしないのである。しかしそのような父親に育てられた子どもは「自由な意思」を持つようにはなるが「良い遺志」をもつようにはならない。不登校になったり、いじめっ子になったりする。いじめっ子が生まれるのは父親が「友達」になっているからである。つまり「友達のような父親」は実は父ではないのだ。
 確かに最近親に「友達」という感覚を持つ子どもが増えている。そんな父親達を「父親でない」と考える人たちもいるだろう。普通「父」という存在は、自分にとって正しい事をいい、「父」の考えは常に正しい。と考えるべきなのかもしれない。友達感覚というのはどこかその「父」の役目を投げ出している気がする。昔の父親というのはそのように考えると理想だったのかもしれない。頑固で厳しくて自分の教えを子どもに伝えていき、それを継続させる…これが理想なのかもしれない。ほかにも例えば伝統工芸の師匠なども「伝統を伝える頑固オヤジ」というめんでは利用の父親像に近いかもしれない。しかし、そのような「頑固オヤジ」が少なくなってきているのもまた事実なのだ。
 しかし、この文章の中で非難されている「友達のような父親」このような「父親」に対して別の見方もあるのではないだろうか。例えば人としての人間性は必ず「親」という存在が伝えるべき事なのだろうか。「友達」ではダメなのだろうか。上の立場から厳しい事をバシバシ言われるよりも「友達」に近い存在から教わったほうが子ども達は聞く姿勢を持つのではないか。そう考えると「友達のような父親」にも良い点はあると思う。「頑固オヤジ」よりも「友達のA君」に言われるほうが説得力があるのかもしれない(笑)
 結局のところ「理想の父親」というのはどのような存在のであろう。身近な…つまり、自分の父親で考えてみよう。私の父親というのは決してともだち感覚というわけではない。だからといって頑固オヤジでもない。なんとなく尊敬できる。と思える存在なのだ。そう考えてみると私の父親はある意味理想系なのかもしれない。つまり今の父親に必要なのは自分の伝えたい事をしっかりと伝える事の出来る心で、それが出来る父親というのはやけに厳しくなったり、友達みたいになれなれしくなったりはしないのではないか。(総合化の主題) 
 

   講評   nara

 今回は「61分」か。最終的に、電話やHPのアドバイスなしで、このレベルの作文を1時間くらいで仕上げられるようになれるといいな。今回の長文は、かなり刺激的・挑戦的な内容で、人によっては拒否感を持つこともありそうだね。もちろん、長文に対して自分の意見を持つことは大切だけれど、それと同時に、なぜこのような長文を筆者が書こうと思ったのか、その背景にあるものを考えてみるという姿勢も併せもつようにするといいね。それは、多角的な視点を持つことにもつながるし、立場や世代の違いを越えてわかり合うための第一歩にもなるからね。
 頑固オヤジというと自分の意見を動かさず、俺様の言うことを聞け、というようなイメージが強いかもね。それは、「自分の意見がある」からこそできるのでもある。つまり、頑固オヤジが生息しえたのは、持てる自分の意見や技があり、それを次世代に伝えることに意味があったから、ということになりそうだ。よくも悪くも、ここ数十年の社会は驚くべきスピードで変化している。オヤジの意見や技・経験が伝えるべきものとして評価をされにくくなっていることも、頑固オヤジを生きづらくさせているのかもしれないね。では、社会や時代が違えば何も伝えられないか、というところが問題になる。時代や社会が違っても伝えるべき・伝えられるべきことがあるとしたら、頑固オヤジの生きる場所はあるはずだね。
 ルルちゃんのお父さんを題材に、もう少し考えてみようか。どんなところが「友達感覚ではない」と思うのかな。どこかにピシッとラインがひかれているのだろうね。どんなところでそのラインを実感する? 「頑固オヤジではない」というのは具体的にどんな場面でそう思うのだろう。ルルちゃんや妹を、一人の人間として対等に接してくれるというような経験があったのかな。ここを一度明らかにした上で、それを再度一般化し、「私が考える現代の理想的な父親像」を示してみるとおもしろいね。

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