対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日3330 今日1084 合計6980
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   日本語の刈り込み   さぼてん

 日本語は、いままで日本民族によってしか使われたことのない内輪の言語、つまり部族言語だ。どこの言語も最初は部族言語なのだがそれが外国に広まりだすと、外の視点が入ってきて言語の刈りこみが行われてくるのである。日本語は、植木屋を、十年も入れなかった庭みたいでめちゃくちゃに枝がのびているという状態だ。多くの西洋の言語は、ヴェルサイユ宮殿の庭木のように、整然と刈りこまれ、人工的な手入れがされているのだ。そして、私たちの母語である日本語も、今徐々だが、に外の視点を加えて整理される芽生えが出てきている。もし外国人が日本語を学ぶ勢いがこのまま五十年、百年とおとろえなければ、日本語も大きく変わると思う。そもそも、日本語は、明治からいままで百年の間におどろくほど変わった。戦後の四十年間でもどんどん変わっているというまさに野放図な自然言語なのだ。<<三文抜書き>>
 野放図である日本語は私達でさえ使うときに苦労する事があるくらいなのに、外国人にはさっぱりで、もし私が日本語にはじめて触れた外国人なら、わけがわからん! と刈り込むどころではないほどであろう、表記については、英語ではABCの一つだけ、だけど日本語は平仮名、片仮名、漢字の三種類がある、という風なのだ。一つ例に、「コーヒー」をあげてみよう。まず、英語なら「coffee」か「Coffee」の二つだけ。日本語はというと、「こーひー」「コーヒー」「珈琲」という結果になる。喫茶店とかで、一つの店には漢字で、もう一つの店には片仮名で、もう一つの店には平仮名で(そんなわけないか)なんて書かれていたら、きっと外国人には三つとも、違う店に思うだろう。私が小さい頃も、そう思っていた。<<体験実例>>
 でも日本人にとっては刈り込まれないぼーぼーな日本語は日本人にとっては返って良いかもしれない、もし京都のホテルで、従業員が共通語を喋っていたら「京都に来たあ!!」と言う感じがしないだろう。あえて京都人にしか分からない京都弁を使う事で、「京都」という感じが湧くのだ。それに方言も、その地方独特の文化であり、歴史も詰まっているであろう。「マクドナルド」を「マック」という省略語だって、普通、省略語は、対面の人や目上の人には使わないから、親しみがこもっている。という点ではいいと思う。でもそれは、ヴェルサイユ宮殿の庭のような素晴らしく美しく、気品のあるものでは無く、下町というか情のこもったというか、野放図の中の良さみたいなそんなものなのだ。
 日本語をこれからの国際普及に合わせ刈り込んでいくか、このままの下町的な感じのままの日本語であるかは、日本人次第で、人間にとって必要不可欠な母国語は、<<一般化>>その国に住んでいる人がその言葉をヴェルサイユ宮殿にするか野放図にするかを決める事で、今先進国であるこれからの日本人はどちらを選ぶだろう。戦後四十年間でこれだけ変わったのだから、これからもかなり変わる事も予想される。
 
 

   講評   yama

 こんにちは。確かに日本人にとっても日本語はやっかいなものですよね。あいまいさ、そして通じ合っている者同士という前提で言葉が使われます。今後ますます国際化していく社会において、日本語の外側の部分は急速に変化していくのでしょうね。

まず第一段落の要約ですが、感想文の本文の長さにしては少し要約が長すぎたかな。抜き出すポイントはばっちりなので、心もちコンパクトにしてみましょう。
次に第二段落。日本語の表記に関する難しさについて書いてくれました。実例も分かりやすいですね。表記法の違いによって、文字を見た時に受ける印象も大分違います。それぞれが同じ物を指しているとは外国人には分からないだろうね。
第三段落。刈り込まれないぼーぼーな日本語の良さについて述べてくれました。刈り込むという比喩を、そのままぼーぼーと受けるさぼてんちゃんのセンスが先生は大好きです(笑)ユーモア表現ばっちりだね。ぼーぼーな日本語の良さについてのたとえにも納得できます。このあたりは日本人だからこそ感じとれる良さだよね。
最後の第四段落のまとめですが、難しいのではと心配していた一般化もしっかり組み込んでくれました。ある程度はどちらの部分も残るのだろうけど、その割合が変化するだけでも日本人にとっては大問題だよね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)